前回男女優勝の広島・世羅「プレッシャーはない」全国高校駅伝

[ 2016年12月25日 05:30 ]

 男子第67回、女子第28回全国高校駅伝は25日、京都市西京極陸上競技場を発着点に、男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロのコースで行われる。アベックで出場する学法石川は、男子の大エース遠藤日向(3年)がインフルエンザで欠場となる非常事態。1区は半沢黎斗(2年)に託され、チーム一丸となって4年連続入賞を狙う。女子は11月中旬に右足のケガで離脱していた古寺冴佳(2年)が復活。ベストメンバーで20位以内を目指す。

 エース欠場の緊急事態に指揮官の表情は険しかった。1区を走る予定だった学法石川のエース遠藤日は、23日の朝から38度の発熱に侵され、この日朝の検査でインフルエンザと診断された。松田和宏監督(42)は「本人が一番悔しいと思う」と渋い表情だ。

 厳しい現実に直面したが、穴を埋めるメンバーのモチベーションは高い。最長区間で重要な1区は、遠藤に次ぐ実力を持つ半沢に託された。昨年も5区で出場し、メンバーただ一人の都大路経験者は11月の東北地区大会で1区を走っており、10キロも経験済み。「ここまで引っ張ってくれた日向先輩のために、全員でしっかり走るしかない」と闘志を燃やす。2区は、松田監督が「センスがある」と期待する小指卓也(1年)が流れを引き継ぐ。

 昨年遠藤日が走った3区は、芳賀宏太郎(2年)が走る。憧れの先輩とは宿舎で隔離されているため、電話とメールで連絡を取った。エースからの「最後の坂をいかに楽に上れるかで決まる。前半は楽に、突っ込み過ぎず走れ」というアドバイスに「最後に一緒にタスキをつなげないのは残念だけど、やるしかない」と力を込める。4、5区には県大会、東北大会ともに出場している横田俊吾(1年)と、加藤広之(2年)の経験値の高い2人が続く。

 6区は「日向の分まで走りたい」と唯一の3年生である遠藤拓海がつなぎ、アンカーは久納碧(2年)が担う。

 ここまで先頭を走り続けてきたエースの不在というアクシデント。それでも指揮官は「1、2年生が多く若いチームなので期待している。あくまで入賞という目標は変わらない」と自らに言い聞かせるように話す。全員が一丸となり、病床のエースに最高の結果を届ける。

 女子はメンバーこそ県大会と同じものの、アンカー根本実咲主将(3年)以外は区間の入れ替えをして臨む。11月中旬から右足アキレス腱の炎症で離脱していた古寺が「どうしても都大路を諦めたくなかった」と離脱中も練習を続け、先週11日から全体練習に復帰。復帰直後ということもあり、短い3区を走るが「大変だった分、いつも以上に笑顔で走りたい」とトレードマークの笑顔を見せることを誓った。

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2016年12月25日のニュース