真央 266日ぶり大技・3回転半失敗も 前向き8位発進

[ 2016年12月25日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第3日 ( 2016年12月24日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

<フィギュア全日本選手権>女子SPで華麗な演技を見せる浅田真央
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 女子ショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(26=中京大)は今季初めて挑戦したトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を失敗。今季自己ワーストの60・32点で8位と出遅れ、世界選手権(17年3〜4月、フィンランド・ヘルシンキ)の代表入りに崖っ縁に立たされた。3連覇を狙う宮原知子(18=関大)が、国際連盟(ISU)公認大会の自己ベストを上回る76・49点をマークして首位。フリーは25日に行われる。男子はフリーが行われ、SP2位だった宇野昌磨(19=中京大)が初優勝した。

 得点も順位も、納得できるものではない。それでも、演技を終えた浅田の気持ちは、今季3戦と少し違った。「挑戦しようと思って臨めたことは良かった」。プログラムに代名詞のトリプルアクセルがあるか否か。それは、浅田にとっていつも重要だ。冒頭、昨季の世界選手権フリー以来、266日ぶりに大技にアタック。1回転半で女子SPの必須要素を満たさず0点となったが、挑めたことが収穫だった。

 左膝に不安を抱え、3戦連続でトリプルアクセルを回避。「全日本で入れたい」から「全日本で跳ぶ」と最終決断したのは、この日の朝の公式練習。1年の休養から昨季復帰して以降、初めて練習で本番衣装を着用。終了間際に1本、クリーンに決めると、心からの笑みを浮かべた。「この状態に戻ってきたことがうれしかった」。9位に終わり号泣したフランス杯から帰国後、1週間休養を取った。折れかけた心と膝を癒やし、コンディションは上がっていた。

 前日(23日)の練習後、一般客も利用できる会場内のトレーニングルームに入った。720円の使用料を支払い、いきなり現れた浅田に驚く一般客の視線を浴びながら、黙々と汗を流した。周囲は気にしない。今季のテーマは「マイペース」ならぬ「マオペース」。台頭する若手も意識せず、「他の選手というより、自分の演技を目指した」と言う2分50秒。表現力が評価される5項目の演技点は、宮原に次ぐ高得点だった。

 世界切符獲得へ崖っ縁に立たされたが、表彰台に上がれば可能性は広がる。SPのフィニッシュポーズから始まる運命のフリー。「積み上げてきた自分の演技を出したい。たくさんの方に支えてもらってサポートしてもらっている。ファンの方にも恩返しできる演技をしたい」。トリプルアクセルも「たぶん入れていく」と再アタック。浅田なら、きっと跳べる。跳べばきっと、世界の大舞台へ道はつながる。

 ▼浅田の今季SP 初戦だったフィンランディア杯は64・87点で2位。GPシリーズのスケートアメリカは64・17点で5位、フランス杯は61・29点で8位。試合を重ねるごとにパフォーマンスが低下

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