いつか世界へ…日本勢の“連敗”止めた鈴木愛は超負けず嫌い

[ 2016年9月22日 10:10 ]

日本女子プロゴルフ選手権を制した鈴木愛

 国内女子ゴルフツアーのメジャー第3戦、大会を制したのは鈴木愛(22=salesforce)だった。最終日は首位と5打差の10位からスタート。メジャーのセッティングで5打の差は大きく、「優勝は難しいかなとは思っていた」というのがティーオフ前の正直な気持ちだった。それでも、「3アンダー(69)で回ればプレーオフには残れるかもしれない」とわずかな可能性にかけ、必死でプレーした。最終18番は4・5メートルのスライスラインをねじ込み、バーディーでガッツポーズ。上位が耐えきれず崩れる中、思惑通りの3アンダーで回り、14年大会以来のメジャー2勝目を飾った。鈴木が14年大会に勝ってから7大会連続でメジャータイトルは外国勢にさらわれていたのだが、連敗に歯止めをかけた形となった。

 ショットが思ったように打てなければ、舌をぺろっと出して苦笑いし、狙ったパットが入らなければ、唇と腰を突き出して悔しがる。豊かな感情表現が22歳の持ち味だが、それはコースを出ても同じようだ。母・美江さんは「もの凄く負けず嫌い。ゲームでも遊びでも手を抜こうとしないんです」と話す。鈴木家では年末年始に自宅近くのコースを家族でラウンドするのが恒例となっているそうだ。昨年は鈴木と姉、妹と弟の2組に別れ、ダブルスでラウンドした。ちょっとした勝負事として始まったはずが、負けず嫌いの次女は次第にヒートアップ。姉がパットを外そうものなら「もう、お姉ちゃん!ちゃんとして!」と猛ゲキを飛ばしていたという。

 弟とテレビゲームで対戦した時も「ちょっと手を抜いてあげたら?」という母の一言に「無理です」。何事にも負けず嫌いで妥協しない。だから、試合期間中でも自分が納得するまで練習をする。日が暮れかかり、翌日に備えてグリーンキーパーが水をまき初めても、練習グリーンに最後まで黙々とパターを振り続けるのはいつだって鈴木だ。2度目のメジャータイトルはそういった努力が実を結んでのものだった。「将来は米ツアーに行きたい。自分とキャディーさんとトレーナーさんと…。英語ができるトレーナーさんっていないのかなぁ。チームを考え中です。まだ私1人ですけど(笑)」。負けず嫌いが世界への扉をこじ開ける日はそう遠くない。(井上 侑香)

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2016年9月22日のニュース