稀勢13勝で綱獲りに望み 来場所白鵬討ち&優勝ノルマ

[ 2016年3月28日 05:30 ]

万全の取り口で豪栄道(右)を寄り切った稀勢の里

大相撲春場所千秋楽

(3月27日 エディオンアリーナ大阪)
 逆転での初優勝を狙った稀勢の里は豪栄道との大関2敗対決を制し、勝ち残りの土俵下で結びを待った。白鵬が負ければ初の優勝決定戦進出だったが、大横綱の変化で賜杯争いは決着。1差届かず、全ての感情を押し殺して花道を引き揚げた。

 悪癖だった下位への取りこぼしもなく16場所ぶりの13勝。千秋楽も豪栄道を左四つから一気に寄る盤石の相撲を取り「やってきたものが少しずつ発揮できている」と手応えを口にした。優勝できなかった理由は「直接対決で(白鵬に)負けていますから、そういう弱さがある」と本人が一番分かっている。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は来場所綱獲りになるかについて「相当いい雰囲気にならないと。内容結果ともに」と否定はしなかった。だが「白鵬には完敗、日馬富士には攻め込まれている」と課題を示し、伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)も「まずは白鵬に勝つこと」と説明。来場所で最高位を射止めるためには第一人者の白鵬に勝った上での優勝が求められる。

 29歳の稀勢の里は15日間を終えても「あと2週間はいけた。疲れてない」と無尽蔵のスタミナを誇る。「常に上を目指してやるだけ。体もまだまだ強くなる。春巡業から稽古してまたベストな状態で土俵に上がりたい」。過去2度の綱獲りはいずれも失敗。無冠の大器から脱する日まで笑顔は見せない。

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2016年3月28日のニュース