ボミ金字塔!年間獲得賞金男子超え 伊沢、ジャンボより稼いだ

[ 2015年11月23日 05:30 ]

「祝!!国内賞金最高額」と書かれたケーキを笑顔で食べるイ・ボミ

女子ゴルフツアー 大王製紙エリエール・レディース最終日

(11月22日 福島県いわき市 五浦庭園カントリークラブ=6460ヤード、パー72)
 今季の賞金女王がまた歴史を塗り替えた。首位から出たイ・ボミ(27=韓国)が3バーディー、ボギーなしの69をマークし、通算16アンダー、272と2位に5打差をつける圧巻のゴルフで今季7勝目を飾った。年間獲得賞金は2億2581万7057円となり、01年に男子の伊沢利光が記録した2億1793万4583円の日本ツアー年間獲得最高賞金を抜く金字塔を打ち立てた。今大会終了時点の賞金シード50位までが来季のシード権を獲得した。
【最終R成績】

 この勢いはもう誰も止められない。イ・ボミは前週の伊藤園レディースで優勝し、自身初の賞金女王とツアー初の年間獲得賞金2億円超えを決めたばかり。今度は伊沢利光が01年に記録した年間獲得最高賞金額を塗り替えた。福島に集まった約7000人を超える観衆の前で「信じられないですね、本当に」とスマイル・キャンディと評される愛らしい笑顔がはじけた。

 2番パー5で残り115ヤードの第3打をPWでピン3メートルにつけてバーディーを奪い、「バーディーを取った感触が良かったので」と早くも勝利を確信したという。12番でもスコアを1つ伸ばし、17番は20ヤードの第3打を58度のウエッジで放り込むチップインバーディー。終わってみれば2位に5打差の圧勝に「今週は逆目のラフが多かったので、(ボールが)行かないほうがいいところは(安全に)グリーンセンターを狙ったり、良い距離ならピンを狙ってというマネジメントが良かった」と胸を張った。

 今季7勝目。度重なる優勝争いに体は疲れているが、春先から使用する“マイ枕”がイ・ボミを癒やしている。昨年は頻繁な寝違えに悩まされたことから、今年の4月頃から韓国でも愛用していたというテンピュール社の枕をオーダーメードで作製。首の高さなどを測って作り、「寝違えが本当に少なくなった」と体調面の不安が解消された。

 スパイクのひもは右が青、左が赤。サッカーの日本、韓国代表のユニホームをイメージし「日本の方の応援への感謝や、もっと2つの国が仲良くなってくれたらという願いが込められている」と言う。日本への思いが強いからこそ、11年の東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地に「まだ悲しい気持ち」と心を痛めている。「一番重要だったのは福島で試合が行われたこと。優勝して福島に寄付することが最高だと思った」と心優しき新女王。優勝会見では獲得賞金の一部と優勝副賞を復興のために寄付するプランを明かした。イ・ボミの活躍と笑顔が被災地も明るく照らしていた。

 ▼伊沢利光 男子と女子を単純に比較することはできないが、年間7勝もして、女子で初めて年間獲得賞金2億円を突破したことは本当に素晴らしいと思います。(01年に男子ツアーで2億1793万4583円の賞金を獲得)

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2015年11月23日のニュース