「輪湖時代」築いた輪島氏 宿敵の急死悼む「先に逝かれ寂しい」

[ 2015年11月22日 05:30 ]

1976年5月、横綱・輪島(左)と握手を交わす横綱・北の湖

北の湖理事長死去

 北の湖理事長と現役時代にしのぎを削り「輪湖(りんこ)時代」を築いた第54代横綱の輪島大士氏(67)が21日、かつてのライバルの急死を悼んだ。輪島氏は13年12月、咽頭がんの手術を受けたため、現在は発声が困難な状況。そのため、文書でコメントを寄せた。訃報について「最近、理事長は元気だと聞いたばかりだったので、とても驚いた。お互いに病気と闘っていたが、先に逝かれて寂しい」とした。

 現役時代の対戦成績は輪島の23勝21敗だが「運動神経が抜群だった。一度掛けた技は二度は通用せず、頭のいい力士だった」と説明。思い出の対戦には74年名古屋場所を挙げた。千秋楽の本割、優勝決定戦と輪島が得意の下手投げで2連勝して逆転優勝。この場所後に北の湖は第55代横綱に昇進した。

 輪島氏は81年春場所で引退。花籠部屋を継承したものの、金銭問題などで85年12月に日本相撲協会を退職した。その後はプロレスラーに転身。角界を離れてからは現役時代のライバルとあまり付き合いがなかったというが「偶然、ホテルのサウナで会い、“裸の付き合いだね”と笑った。その後食事に行き、酒は強かった」と懐かしむ。

 その縁もあり理事長からは毎場所、番付表が送られてきた。「昔のライバルが相撲界で頑張り続けていることが、とてもうれしかった。もらった番付表は全て取ってある」。そして「俺はもう少し頑張る。(理事長には)よく頑張ったね、お疲れさまと言いたい」と弔いの言葉を贈った。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月22日のニュース