大砂嵐 発熱も3度目金星!新三役へ日馬富士下し弾み1勝

[ 2015年11月10日 05:30 ]

日馬富士を破った大砂嵐

大相撲九州場所2日目

(11月9日 福岡国際センター)
 西前頭筆頭の大砂嵐が横綱・日馬 富士を寄り切り、昨年名古屋場所以来3度目の金星を挙げた。2場所連続勝ち越しで自己最高位の更新を続けるエジプト人力士が新三役へ向けて弾みをつけた。また、昨年九州場所12日目から続いていた満員御礼が80日間で途切れた。
【2日目取組結果】

 荒々しさで鳴らした男がじわりじわりと攻めた。大砂嵐は両手突きから右を差し、素早く左上手を引いても攻め急がなかった。「横綱はスピードがある。自分が左を取ったら落ち着く」。低い姿勢で相手に上手を取らせず、約1分かけて徐々に優位な体勢をつくった。そして上手投げから体を入れ替えると、力尽きた日馬富士を寄り切った。

 ラマダン(断食月)中に鶴竜、日馬富士を2日連続で破り、大ブレークした昨年名古屋場所以来の金星だ。それでも「そんなにうれしくない。考えたら1勝1敗だからね」と涼しい顔。成長を感じさせる丁寧な取り口にも「流れですよ」と言ってのけた。

 体調はボロボロだ。5月に左肩を骨折、古傷の左膝にも痛みがある。風邪をひいたところに、3日前から右足首にうみがたまる炎症の蜂窩織(ほうかしき)炎を発症。39度の高熱も出た。「熱いから服脱いで、窓も開けて寝ているから、風邪が治らない」。体のケアの方は相撲と違って相変わらず豪快だ。そんな調子でもトレーニングは手を抜かない。場所前は関取衆との稽古ができなかった分、部屋でロープやハンマーを使って体力アップに励んだ。福岡入り後は「博多はおいしいよ」と好物の水炊き(鶏鍋)で栄養補給。「100%じゃないけど、調子はいいです」と戦える体を維持している。

 今場所は自己最高位の前頭筆頭につけている。新三役は目前だ。3日目の相手は一度も勝ったことのない白鵬。旋風を巻き起こした8場所前の再現なるか。大砂嵐は「楽しみ」と言って、ニヤリとした。

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2015年11月10日のニュース