東京五輪追加種目選定まで1週間 “第3の種目”を考察してみた

[ 2015年9月22日 09:20 ]

2010年広州アジア大会で実施されたローラースポーツ女子1万メートル

 20年東京五輪の追加種目が9月28日に決まり、国際オリンピック委員会(IOC)に提案される。野球・ソフトボール連合と空手はほぼ確実なので、興味は第3の種目はあるのか?あるとすればどの種目になるのか?だ。

 15日に行われた組織委員会の種目追加検討会議で、そのヒントが示された。座長補佐を務める武藤敏郎事務総長によれば、委員たちが述べた残る6種目の長所と短所は次のようになる。

 <ボウリング>親しみやすいスポーツだが、トップ選手とアマチュアの差がない。しかもアフリカには普及していない。

 <ローラースポーツ>若者へのアピール、都市型スポーツとして魅力がある。ただし、スケートボードに比べるとローラースケートはアピール度が低いのではないか。

 <スポーツクライミング>垂直に登るという他の競技にはない魅力がある。だが、日本での認知度はまだ低い。

 <スカッシュ>ガラス製のコートで先進性がある。一方でラケット競技は他にもあるので差別化をどうするのか。

 <サーフィン>若者文化として広く根付いている。ただし天候に左右される競技なので運営面での不安定性が大きい。

 <武術>太極拳の知名度は高いが、採点基準が分かりにくい。地域的なばらつきも大きい。

 その上で武藤座長補佐は「国内外での普及度、男女間の偏り、財政など運営面」を重視して選考する意向を示した。

 ここから先は私の独断と偏見による推測だが、これらの情報だけで判断するなら、現時点での最有力はローラースポーツということになる。対抗はサーフィンだが、最近の異常気象を考えれば自然相手の競技運営は避けたいのが組織委の本音だろう。他の3種目は評価よりも否定意見の方が多い感じだ。ローラースポーツは日本では知名度が低いが、世界的には5000万人以上の競技人口を抱える人気スポーツだ。国際オリンピック委員会が希望する「若者へのアピール」にも合致する。施設も仮設なら2、3日で設営可能という運営面での利点もある。

 ただし、この推測には一つ問題がある。15日の会議には御手洗冨士夫座長が海外出張中で不在だったのだ。こんな大事なことを決めるのに座長がいないというのも凄い話だが、28日に開かれる最終会議が御手洗座長の考え一つでひっくり返る可能性は十分にある。正式決定まであと1週間、さてあなたの予想は?(藤山 健二)

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