日本 WG逆転残留 錦織で“逆王手”!ダニエル決めた

[ 2015年9月22日 05:30 ]

コロンビアに勝利しWG残留を決め、喜ぶ(奥右から)錦織、ダニエル太郎ら日本チーム(AP)

男子テニス国別対抗戦デ杯ワールドグループ入れ替え戦 日本3―2コロンビア

(9月20日 コロンビア・ペレイラ)
 最終日のシングルス2試合が行われ日本が来年のワールドグループ(WG)残留を決めた。通算1勝2敗で後がなかったが、世界ランキング6位の錦織圭(25=日清食品)が同59位のサンティアゴ・ヒラルド(27)との“エース対決”に6―4、6―2、7―6で完勝。世界124位のダニエル太郎(22=エイブル)も同123位のアレハンドロ・ファジャ(31)をストレートで退けてデ杯初白星。日本がアウェーのWG入れ替え戦で初めての勝利を手にした。

 スタンドを埋めた3000人のコロンビアファンがため息をついた。2勝2敗で迎えた最後の試合にダニエルが勝って日本の逆転勝ち。エースとして2勝を挙げた錦織は「デ杯の意義を再確認できた」とチームの喜びの輪に最後にゆっくりと加わった。

 負ければ敗退という状況で迎えた相手エースとの激突だったが、世界のトップで戦い続ける錦織にプレッシャーはなかった。「初日よりもよく動けたし、より攻撃的にいけた」と過去7勝1敗と得意にしているヒラルドを寄せつけなかった。

 「無理に打たせるようにしたり、自分から早い展開で仕掛けたり、冷静にプレーできた」。スピードを抑えて丁寧にコースを突いたサーブも多く、第1サーブ成功率は70%と高い数字をマーク。そのうち84%をポイントにつなげ、5本あったブレークポイントは全て守り抜いた。高地も、アウェーもはねのけ、ダニエルにバトンをつないだ。

 WG入れ替え戦での日本の戦績は3勝6敗となった。これまでの2勝は日本開催で挙げたもので、アウェーでWG残留を決めたのは初めてだ。錦織が最年長の若いチームだが、確実に2勝を計算できるエースは精神的支柱でもあった。ダニエルは「ヒーローは最後に勝った僕じゃない。僕らは凄くケイに頼っていた」と語った。

 植田実監督は「錦織一人のデ杯からみんなのデ杯にしないといけない。意味のある戦いだった」と錦織を追う若手の成長を歓迎した。全米オープンで初戦敗退を喫した錦織にとっても、ショックを振り切り、連覇を狙う次戦の楽天ジャパンオープン(10月5日開幕、有明コロシアム)に弾みがつく大会となった。

 ▽デ杯(デビスカップ) 男子の国別対抗戦で今年は125カ国が参加。81年から16カ国で構成されるWGを頂点とする方式となった。下部は3地域で、それぞれ4部まである。WG1回戦で敗れた国は1部との入れ替え戦に回る。入れ替え戦は3日間でシングルス4、ダブルス1の5試合を行い3戦先勝。勝ったチームは翌年のWGに、敗れたチームは地域グループに入る。

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