五輪、世陸メダル3分の1に薬物疑惑 陸上中長距離、英独で報道

[ 2015年8月2日 17:25 ]

 2001年から12年の間に開催された陸上の五輪、世界選手権の中長距離種目、マラソン、競歩、十種、七種競技のメダルのうち、3分の1に当たる146個にドーピングが疑われる検査結果が出ていることが2日、分かった。英紙サンデー・タイムズとドイツ公共放送が報じた。55個の金メダルも含まれている。

 国際陸連が約5千人から採取した約1万2千件の血液検査データが内部告発で漏れた。世界有数の専門家2人がデータを再調査し、800人以上の選手に異常値があった。ロシアが獲得したメダルの80%以上はドーピングが疑われる選手によるものという。大阪での07年世界選手権は20、04年アテネ五輪は16、08年北京五輪は19、12年ロンドン五輪は10のメダルに違反の疑いがある。

 男子の短距離で五輪2大会連続3冠のウサイン・ボルト(ジャマイカ)やロンドン五輪長距離2冠のモハメド・ファラー(英国)は含まれていないという。国際陸連のブブカ副会長は「ドーピング撲滅に力を入れてきた。いかなる違反も許されず、ルールの厳格化が必要なら対応したい」との見解を示した。

 世界反ドーピング機関(WADA)のリーディー委員長は「数字を聞いて驚いた。新たな疑惑に困惑している。早急に厳重な調査に乗り出す必要がある」と述べた。昨年12月にはロシアの組織的ドーピング疑惑が報じられ、WADAのパウンド元委員長を責任者とする第三者委員会が今年末をめどに調査報告書をまとめる方針になっている。(共同)

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2015年8月2日のニュース