松山よブルース・リーになれ 超難関グリーン攻略へ青木から金言

[ 2015年6月17日 05:30 ]

解説のため現地入りした青木(右)の話に笑顔を見せる松山

 18日に開幕する今季のメジャー第2戦、全米オープンに出場する松山英樹(23=LEXUS)は15日、ワシントン州ユニバーシティープレースの開催コース、チェンバーズベイで練習した。松山は超難関グリーン攻略に頭を悩ませる中、解説のため現地入りした青木功(72)から授かった金言を胸に、メジャー初優勝に挑戦する。

 しかめっ面でパットの練習をしていた松山が白い歯を見せた。笑顔をもたらしたのはこの日、現地入りした青木だ。1980年の全米オープン2位の成績はいまだに日本人メジャー最高位。輝かしい歴史を持つレジェンドに「グリーンが止まらないし、難しい」とこぼした時だった。

 「(ウエッジなどで球を)上げなくていいんだ。どこまでも転がるんだから。狙ったって入るわけないし、入ったらもうけ物。予期しない時に入って、狙って入れると3パットをするもんだ」

 フェアウエーとの境目が判別できないほど自然な状態のままのグリーンは、乗ったとしても傾斜あり、マウンドあり、さらに予測不可能な跳ね方もする。4月に練習ラウンドに訪れ、今回も13、14日とそれぞれ9ホールずつ回り、予習を重ねている松山が手を焼く「超難関グリーン」。だが「アップダウンのあるセントアンドリュース」とコースを評した青木に過去の経験則から対応法を説かれると「そうですね」と納得した。すると畳みかけるように、青木ワールドが展開された。

 「考え始めたら駄目。ここはヤマ勘でいけ。楽しんだらいいんだ。神経質になったら1ラウンドで頭が痛くなるぞ」

 カンフー映画のスターであるブルース・リーの名言、「Don’t think. Feel!」(考えるな、感じろ)をほうふつさせる“金言”を授けられ、怪物も吹っ切れたようだ。

 また4月のマスターズに続いてメジャー連勝に挑むジョーダン・スピースからは、公式会見で「僕は英樹のことをライバルとは思っていない。尊敬している。今週、英樹に優勝のチャンスはあると思う」と賛辞を贈られた。ラウンドせずに約3時間半、練習場で過ごしたこの日、メジャー初優勝を狙う松山にとっては実り多い一日になった。

 ▽「Don’t think.Feel!」 ブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」の冒頭に登場する名セリフ。リーが少年にカンフーを教えるシーンで、まず自分を蹴るように命じる。やみくもに蹴ってきた少年の蹴りをかわすと、「五感を研ぎ澄ませ」とやり直しを指示。最後にリーが感想を聞いた際、少年が考え込むしぐさをした瞬間に頭を叩いて「Don’t think.Feel」(考えるな、感じろ)と教えた。

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