成田　ガツガツ封印首位発進！ノーボギー９バーディー６３

１８番、菊地（右）とペアルックの成田は第２打をピンに寄せ、ギャラリーの歓声に応える

女子ゴルフツアー　サントリー・レディース第１日

（6月11日 兵庫県神戸市　六甲国際ゴルフ倶楽部＝６５１１ヤード、パー７２）
　狩人がビッグスコアを叩き出した。成田美寿々（２２＝オンワードホールディングス）はボギーなしで９バーディーを奪い、自身のベストスコア６３をマーク。今季２勝目を狙う“かわい子ちゃんハンター”が２位に３打差をつけて首位発進した。藤田光里（２０＝レオパレスリゾートグアム）は６８を出し５打差の５位。ホステスプロの宮里藍（２９＝サントリー）は７１で２６位となった。

　かわい子ちゃんにも、バーディーにも“静の成田”でいられた。３メートルに２オンした最終９番パー４。決めれば自身のベストスコア更新なのに「狙わないで、課題のパットのストロークをしよう」と言い聞かせると、最後の一転がりでカップに入った。「ショットがピタピタついている感じではなかったけれど、バーディーがいっぱい来た」。２位に３打差の６３の好発進に笑みがこぼれた。

　最近のテーマは「ガツガツいかない」こと。以前はバーディーチャンスを目の前にすると、力んでミスをし、イライラする悪循環に陥っていた。キャディーから「ガツガツしない方がいいよ。黙っててもバーディーが来るから」と諭されたこともあり思考回路を転換。さらに今週からロングパットは順手、６メートル以内はクロスハンドにする“二刀流”パットもさえ、１１番からの５連続を含めて９つもバーディーを量産した。

　香妻琴乃や藤田光里の優勝を阻止する“かわい子ちゃんハンター”として名をはせる。この日は、香妻、菊地絵理香と同組でインターネットの掲示板には「成田が張り切りそうなペアリングだな」と書かれていた。「その通り！と思ったけれど、まだですよ。初日ですから」とかわし、ウエアのメーカーが同じ菊地と上下全く同じウエアを着る遊び心も見せた。

　優勝すれば全英女子オープン出場の可能性もある。「優勝したいけど、ガツガツしない」。ハンターは静かに、唯一無二の獲物を狙う。