樋口久子「微力でも」続けていきたい被災地へのアプローチ

[ 2015年3月10日 05:30 ]

17番、バーディーパットを決め喜ぶ樋口

東日本大震災復興支援プロジェクト スポニチ・チャリティーゴルフ・シニアプロアマ大会2014

(3月9日 千葉県千葉市・平川カントリークラブ=男子シニア50~64歳7060ヤード、男子シニア65歳以上6576ヤード、男子アマ6576ヤード、女子シニア6295ヤード、女子アマ5763ヤード、パー72)
 4年前のあの日を忘れない。11年3月11日に起きた東日本大震災の被災地復興支援を目的に男子24人、女子13人、合計37人のプロがアマチュアとともにプレーしてチャリティー金集めに協力した。大会はチーム戦で争われ、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)相談役の樋口久子(69=富士通)らの組が優勝した。ゲストの張本勲氏(74=スポニチ本紙野球評論家)らも大会の趣旨に賛同してイベントを盛り上げた。

 朝から降り続く冷たい雨も関係なかった。プロ1人とアマ3人が4人1組になり、各ホールのベストスコアを採用するベストボール方式で、18ホールの合計スコアで争う団体戦は大いに盛り上がった。優勝チームを引っ張った女子ゴルフのレジェンド樋口は「楽しくプレーできました」と笑顔を見せた。

 スポニチ・チャリティーゴルフ・シニアプロアマ大会は10年に始まり、11年の東日本大震災を受けて被災地の復興支援を目的とした大会となった。11日で震災発生からちょうど4年。参加者は被災地に思いをはせながらプレーした。

 樋口もそうだ。「4年たっても、今のままではまだ復興しているとは言えない」と訴えた。

 印象に残っているのは、震災から半年後に宮城県内で開催された国内女子ツアーのミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン。当初は開催が危ぶまれていたが、3日間で2万人以上の観客が駆けつける大盛況となった。

 「大きな被害が出ていたので被災者の方は大変だろうと思っていたら、逆にこちらが元気をもらった。また被災地を盛り上げていかないと、と思った」。自ら津波の被害が出た沿岸部に足を運び、胸を痛めていただけに余計に心に響いた。

 樋口が相談役を務めるLPGAでは「心をひとつに」というスローガンの下、ツアーでの選手の獲得賞金の一部をチャリティー金として寄付したり、女子プロを被災地の学校に派遣し、スナッグゴルフ(子供向けのゴルフ)教室を開催するなどの活動を行ってきた。

 樋口は昨年、文化功労者に選出された。ゴルフ界では初の快挙とあって「ゴルフが認められたことでもあり、注目もされる。ゴルフの発展のために頑張りたい」と話し、底辺の拡大や若年層の強化などを課題に挙げた。もちろん、ゴルフを通じた被災地支援も継続していく意向だ。「微力だけれども、支援を続けていきたい」と熱く語った。

 ≪毎日希望奨学金に100万円寄付≫集まったチャリティー金100万円が表彰式の最後に、優勝チームの樋口と森戸幸生スポーツニッポン新聞社代表取締役社長から、朝比奈豊毎日新聞グループホールディングス代表取締役社長に贈られた。チャリティー金は毎日新聞東京社会事業団を通じ、震災遺児を応援する「毎日希望奨学金」に寄付される。

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