初の年間50勝!錦織、ファイナル切符へ好発進!ブレーク許さず

[ 2014年10月31日 05:30 ]

男子シングルス2回戦 トミー・ロブレドと対戦しリターンする錦織圭

 世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(24=日清食品)が区切りの年間50勝目を挙げた。初戦となった2回戦で世界17位のトミー・ロブレド(32=スペイン)に6―7、6―2、6―3で逆転勝ち。一度もブレークを許すことなく、前週準優勝と好調だったベテランを止めて3回戦に進出した。年間成績などの上位8人で争うATPツアー・ファイナル(11月9~16日、ロンドン)初出場を懸けた争いが佳境を迎える中、約3週間ぶりの復帰戦を白星で飾った。

 打ちも打ったり52本。錦織が放ったウイナー(相手が触れない決定打)の数はロブレドの3倍以上を数えた。3週間ぶりの復帰戦とは思えないほど鋭いショットを連発。「感覚は良かった。プレー自体も悪くなかった」と錦織自身も合格点をつけるプレーぶりだった。

 過去の対戦では2戦2勝ながら、ロブレドは元世界5位の実力者。前週のバレンシア・オープンでは準優勝と勢いに乗っていた。さらに最終戦の出場権を争うライバルたちは錦織よりも先に全員が2回戦突破を決めていた。多少なりとも重圧のかかる状況だった。

 しかし、第1セットをタイブレークのわずかなミスで落としても「タイトな試合は想定していた」と落ち着いていた。第2セットからは「少し意識してリターンを攻めて、足も動かした」とギアアップ。一方で前日の1回戦もフルセットの激闘だったロブレドは、第5ゲームの後に左足のマッサージを受けた。直後のゲームで均衡が崩れ、錦織が両者通じて初のブレークに成功した。

 「ここのコート(の球足)は少し遅くてポイントが長くなる。前に入って打てるボールは、打ち込むことを意識した」。ワイドに相手を走らせ、空いたスペースへ鋭く打ち込む。ドロップショットで前におびき出し、ロブで頭上を抜く。左右も高低も自由自在。巧みな組み立てが52本の決定打につながった。結局一度のブレークも許さずにロブレドを退け、痛めていた右でん部も「どこにも異常がない」と2時間近い戦いに耐え抜いた。

 これで今季の勝ち数は区切りの50勝。従来の自己最多記録は12年の37勝で、節目に到達するのは初めての経験だ。コンスタントに試合をこなし、なおかつ勝ち上がっていかなければ届かない数字で、今季50勝に達しているのはジョコビッチやフェデラーら8人だけ。これもトッププレーヤーの勲章の一つと言える。さらに大きな勲章となる最終戦出場のためにも大きな意味を持つ白星となった。

 ▽ATPツアー・ファイナル シーズン最終戦で、09年からはロンドンのO2アリーナで行われている。年間獲得ポイントなどの上位8人だけが出場できるエリート大会。試合は3セットマッチで、4人ずつ2グループに分かれて総当たりを行い、上位2選手が準決勝に駒を進める。1試合勝つごとにランキングポイントと賞金が得られ、無敗の優勝者は1500ポイントと207万5000ドル(約2億2600万円)を獲得する。4大大会決勝並みの豪華な顔合わせが連日行われるファン必見の大会。これまでにアジアから出場した選手はいない。

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