錦織、レジェンド御前で完勝 1万超観衆魅了!ストレート発進

[ 2014年10月2日 05:30 ]

ボールが平たくなるほど強烈な錦織のバックハンド

男子テニス楽天ジャパン・オープン第3日

(10月1日 東京・有明テニスの森公園)
 シングルス1回戦で世界ランキング7位の錦織圭(24=日清食品)が同61位のイワン・ドディク(29=クロアチア)を6―3、6―4のストレートで下した。1万2053人が来場した中、徐々にペースをつかみ完勝。試合後には全米オープン準優勝の特別表彰で功労金500万円が授与され、4大大会に出場した往年の“レジェンド”らから祝福された。2日はシングルス2回戦で同57位のドナルド・ヤング(25=米国)と対戦する。

 満員の有明コロシアムが沸いた。錦織のシングルス1回戦。約600枚あったセンターコートの当日券は、錦織の試合前の午後0時5分に完売。1万2000人超の大観衆の中、正確なショットやボレーで観客を魅了した。「一瞬(会場の雰囲気に)のまれそうになった。集中力が欠けそうになったのを感じたが、なんとか取り戻して1セットを取ってからは自信を持ってリラックスしてプレーができた」。大声援を力に変えた。

 要所でスイッチを入れた。粘り強く返球するドディグに対し、第1セットは我慢が続いた。「3―3のときヤバかった」と苦笑いしたが、第8ゲームでブレークしてペースを握った。第2セットの4―3で迎えた第8ゲームでは「ここが(自分の)レベルを上げるときかな」と腰を下げて構えた。「大事だと思ったときはなるべくペースを上げたり、自分から攻めたり、プレッシャーをかけるようにした」。勝負どころでギアを上げ、勝利をたぐり寄せた。

 世界トッププレーヤーの仲間入りをした錦織のために、往年の“レジェンド”らも集結した。試合後には全米オープン準優勝の特別表彰がコート上で行われ、4大大会出場経験者7人が登場。18年全米オープンで準決勝に進んだ熊谷一弥の長男・一夫さん(86)が花束を贈呈し、日本テニス協会の畔柳会長から、功労金500万円が授与された。

 「皆さんを差し置いて、僕だけ表彰されるのは悪いというか、申し訳ない気持ち。成績を表彰してもらえるのはうれしいこと。良い結果を残して新しい歴史をつくっていきたい」と錦織。きょう1日はシングルス2回戦でドナルド・ヤング、ダブルス2回戦では第3シードのマルセル・グラノリェルス、マーク・ロペス(ともにスペイン)組と対戦する。2年ぶりのタイトル、自身初の2週連続優勝へ。錦織の新たな歴史が始まる。

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