怪物凱旋!松山 前半ボギー先行も“全英仕様”で巻き返した

[ 2014年7月4日 05:30 ]

<セガサミーカップゴルフトーナメント初日>10番、ティーショットを放つ松山英樹

男子ゴルフツアースポニチ後援長嶋茂雄招待セガサミー・カップ第1日

(7月3日 北海道千歳市 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ=7050ヤード、パー71)
 北の大地が“石松フィーバー”に沸いた。米初勝利を挙げ凱旋試合に臨んだ松山英樹(22=LEXUS)は3バーディー、3ボギーの71で回り、65で首位のデービッド・オー(33=米国)と6打差の39位とまずまずのスタートを切った。初日では大会最多4147人のギャラリーが熱視線を送る中、世界基準の飛距離でファンを魅了した。石川遼(22=CASIO)は2アンダーの69で12位と好発進した。 
【第1R成績】

 5月のメモリアル・トーナメントで米初勝利を挙げ、迎えた今季国内初戦。石川とのそろい踏みで注目を集めた松山の初日はイーブンパーの39位。3オーバーから巻き返したラウンドを「いいところも悪いところもありました」と振り返った。

 ギャラリー数は今大会初日最多の4147人。スタート前には女性ファンから「お帰り」と黄色い声で歓迎され、今季最多80人の報道陣が“スター”のプレーを追った。ギャラリープラザの弁当販売店も昨年は完売しなかった100個の弁当が1時間で完売。追加の100個も早々となくなり、店主は「今年はもうかりました」と目尻を下げた。プチ経済効果をもたらすフィーバーの中、好スタートを切れず「たくさんの拍手と声援がありました。それに応えられるプレーができなくて残念です」と悔しがった。

 前日はほぼなかった風が吹き始め、グリーンも乾いて硬くなった。インから出た前半はアイアンの距離が合わず、第1打をグリーン奥にこぼした12番パー3で2打目を寄せきれずボギーが先行。17番でも20メートルから3パットしてボギーを叩いた。だが、そんな嫌な流れを変えたのが“全英仕様”の新兵器だ。18番パー5の残り265ヤードの2打目。17日から始まる全英オープンをにらみ今大会で投入した2Iを振り抜くと、同組の近藤共弘が「ワールドクラス」とうなる一打で2オンに成功。2パットでバーディーを奪うと、後半の3番パー5も残り248ヤードの2打目を3Iでカラーまで運びバーディーを奪った。

 これまで米ツアーでは松山を含め日本人4選手が優勝している。凱旋試合では08年のAT&Tクラシック優勝後に一時帰国し、同年の三井住友VISA太平洋マスターズに出た今田竜二の7位が最高だ。米ツアー3勝の丸山茂樹は凱旋で注目される試合を「(メディアの注目による)日本ならではの難しい雰囲気があるかもしれない」と説明した。ただ、丸山が認めるのは松山の「鈍感力」。“世界の青木”も12位に終わった「凱旋の壁」を、歴史を塗り替えてきた怪物が乗り越える。

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