稀勢の里 初V&綱昇進へ!大器晩成28歳“機は熟した”

[ 2014年7月4日 05:30 ]

誕生日ケーキを贈られ、笑みを浮かべる稀勢の里

 大相撲の名古屋場所(13日初日、愛知県体育館)で初優勝を狙う大関・稀勢の里が3日、28歳の誕生日を迎え、心身の充実ぶりをアピール。愛知県長久手市の田子ノ浦部屋で行った朝稽古では弟弟子の幕内・高安(24)を圧倒するなど調整も順調。04年九州場所の新入幕から丸10年を目前に控え初優勝と横綱昇進へ機は熟している。

 中学卒業とともに入門した02年も午(うま)年だった。それから一回りが経過し、この日28歳を迎えた稀勢の里は贈られた大きなケーキを手にし「忘れられない誕生日になった」と照れ笑い。「体は10代の時より元気かもしれない。まだこれから良くなっていくと信じてやっていきたい」と、さらなる成長を遂げることを約束した。稽古場では高安に押し込まれる場面もあったが、地力の違いを見せつけて16番全てに勝利。全勝優勝を果たせば横綱昇進の可能性も残る名古屋場所に向け“負けない相撲”を体に染み付けていた。

 04年九州場所。貴花田(後の横綱・貴乃花、現貴乃花親方)に次ぐ歴代2位のスピード記録となる18歳3カ月で幕内昇進を果たした。それから今場所で58場所目、もうすぐで丸10年。新入幕から最スロー横綱昇進である琴桜と三重ノ海の60場所が迫るが「毎日の積み重ね。ステップアップするタイプじゃない」と“大器晩成”を強調した。

 モンゴル全盛時代となった最近は特に「06年初場所の栃東以来となる日本出身力士の優勝」「03年初場所に引退した貴乃花以来不在の日本人横綱」という2つの宿命を背負う。天皇賜杯を抱けていないことには「いつもそのために頑張っている。それ以外頑張る気力がない」と言い、横綱昇進へは「やるからには上を目指すのは当たり前。諦めたら充実した生活を送れない」と前を向く。

 婚期についても注目が集まるが「やることはたくさんある」と相撲だけに集中。3年前に死去した先代師匠(元横綱・隆の里)は29歳で初優勝、30歳で横綱に昇進した。「最後は土俵の充実。お客さんを魅せられるような相撲を取る」。相撲人気復活への後押しは自らの土俵生活で実現するつもりだ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月4日のニュース