松山 メジャー初制覇へ“新エース”ミクロ調整、不安なし

[ 2014年6月11日 05:30 ]

練習ラウンド、2番でティーショットを放つ松山

 今季のメジャー第2戦、全米オープン(12日開幕)に出場する松山英樹(22=LEXUS)が9日、パインハーストの開催コースで約3時間の練習を行った。米ツアー初勝利を挙げた前戦で1Wを折ったため、“新エース”を選定中。距離が長いパー4がひしめく「パインハースト・リゾート」の攻略のカギとなるクラブを妥協なく追求し、メジャー初制覇に挑む。

 松山のクラブ担当者が練習場と数百メートル離れたツアーバンを何度も往復した。新エースクラブとなる1Wの調整のためだ。この5日間、日替わりで4、5本をテスト。500ヤードを超える難関パー4が4つもあるコースで、どの1Wを使うのか。本人は「まだ分からない」と口にしつつも「(不安は)ない。(メーカーに)いいサポートをしてもらっているので」と強気の姿勢を崩さなかった。

 エースを失ったのは、優勝した2週前のメモリアル・トーナメントの最終日18番。第1打をミスしてクラブで地面を叩いた際に集音マイクを立てる金属台に当たり、付け根付近を折った。それを再利用する手もあったが、同モデルのヘッドとシャフトで新1Wを作ることになった。

 ただし、同じ素材を使っても個体差があり、再現が難しいのがプロのクラブ。特に松山は感覚が鋭く、構えた時のクラブフェースの見え方、打球音の違いなど、妥協を許さない。そもそも、6年も前のクラブ「スリクソンZR―30」を使っていたことからも、こだわりの強さがうかがい知れる。メーカーは折れたものに近づけようとミクロの世界の手直しを続けている。

 体調面は「いい調整だと思う」と前向きだ。前週は予定通り欠場。現地入り後は18ホールを回ったのは1日のみで、後は初優勝の疲れを取りつつ、2日で1ラウンドになるようにじっくり回っている。この日はラウンドせずに3時間の練習。残り2日は9ホールずつ回る。計画通りの“メジャー仕上げ”と見ていい。

 昨年大会は米初トップ10となる10位に入り、飛躍の一歩をしるした。今年は米1勝の勲章とともに臨む。松山は「何も変わらないです」と自然体。1Wが納得いくものに仕上がれば、昨年を上回る成績、そして、日本人の悲願でもあるメジャー制覇も見えてくる。

 ▽パインハースト 今回は男女の全米オープンが2週続けて同一会場で行われる。メジャーの中でも最も難しいセッティングと言われる全米オープンの中にあって今回は500ヤードを超えるパー4が4ホール、600ヤードを超えるパー5も1つと距離もあり最難関コースの一つに挙げられている。

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2014年6月11日のニュース