桐生 改修で変身“高速トラック舞台”で9秒台刻む!

[ 2014年5月29日 05:30 ]

世界リレー大会から帰国した桐生

 好環境がワンダーボーイを後押しする。陸上男子100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀(18=東洋大)が28日、世界リレー大会が行われたバハマから成田空港着の航空機で帰国した。次戦は日本選手権(福島、6月6~8日)の男子100メートルだが、会場のとうほう・みんなのスタジアムは改修工事を経て、国内屈指のトラックに生まれ変わったことが判明。硬く、風にも恵まれるトラックで、日本人初の9秒台を狙う。

 カリブ海に浮かぶバハマから米ニューヨークを経由して帰国した桐生は、疲れも見せずに闘志を高めた。次戦の日本選手権は昨年、山県に完敗して2位。「優勝していないんで、優勝を狙っていきたい」。予選、決勝の2レースだった昨年とは違い、今年は予選、準決勝、決勝の3レースになるが、18歳のワンダーボーイは「2本が3本になっただけなんで、あまり気にしていない」と自然体だ。

 17日の関東学生対校選手権で自己2番目の10秒05をマークし、日本選手権で日本人初の9秒台が現実味を帯びている。偉業を後押しするのが、今年3月に改修工事を終えた、とうほう・みんなのスタジアムだ。「トラックの反発」は好タイムの要因の一つだが、同スタジアムの走路の硬度は公認上限の60で施工されており、桐生が13年に10秒01をマークしたエディオンスタジアム広島と同じ。改修を手がけた日本体育施設の関係者は、「間違いなく高速トラック」と太鼓判を押した。

 自然も18歳を加速させる。男子100メートル予選は7日午後4時5分、準決勝は8日午後2時40分、決勝が午後5時50分。福島県陸協の片平俊夫会長(69)は、「午前中は向かい風になることもあるが午後はだいたい追い風」と説明。「過去10年の観測で6月上旬の午後は、ゴール方向に向かって1メートルから2メートル未満の風が吹いているデータがある」と自信。公認上限の追い風2・0メートルに匹敵する好環境が期待できそうだ。

 今後は2~3日のオフを取ってから、日本選手権へ本格的に調整する。「日本で負けていたら、海外勢に絶対に勝てない。2番でタイムを出したとしても印象に残らない」。ワンダーボーイが初の日本一を勝ち取った時、日本人初の9秒台も刻まれる。

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2014年5月29日のニュース