遠藤 横綱のご指名率5割に「巨人のレギュラー獲れるかも」

[ 2014年4月20日 05:30 ]

ぶつかり稽古で日馬富士を押す遠藤(右)

 大相撲の春巡業が19日、千葉県館山市で再開し、幕内・遠藤(23=追手風部屋)がぶつかり稽古で横綱・日馬富士(30=伊勢ケ浜部屋)から“愛のかわいがり”を受けた。約8分間にわたり胸を出してもらって指導を受け、あまりの厳しさに絶叫する場面も。3月末から始まった春巡業の朝稽古で横綱から指名されるのは3回目で確率は5割となり、上位陣からの注目度と期待の高さをうかがわせた。

 たった1年で幕内上位まで番付を駆け上がり、しかも人気沸騰というホープ遠藤を上位陣が放っておくわけがない。先々週は1日の京都市で日馬富士から、先週は12日の前橋市で白鵬からぶつかり稽古で胸を出してもらったが、この日も日馬富士から“ご指名”を受けた。ぶつかっては転がされ、ぶつかっては転がされ…。スタミナ切れして「あーー!!」と絶叫すると、すかさず横綱から「あって言うな!!」と注意が入る。期待の表れでもある8分間の“愛のムチ”が終わると、南房総の相撲ファンから万雷の拍手が遠藤に送られた。

 春巡業はこの日で8カ所目だが、伊勢神宮と靖国神社での奉納相撲は時間が短いため、本格的な朝稽古は実質6日目。そのうちの半分で横綱から指名されている23歳は「打率いいですね。今なら巨人のレギュラー獲れるかも」と巨人ファンならではの冗談を飛ばし「気にかけてもらえてありがたいです」と感謝した。

 ぶつかり稽古の前にも高安らと25番(13勝)の相撲を取り、幕内で最も多い番数をこなした。春巡業はここまで連日大入りで、その要因について尾車巡業部長(元大関・琴風)は「遠藤は大きい。土俵に上がると歓声が湧くから」と効果を実感。胸を出した日馬富士も「お客さんが喜ぶしね。頑張ってほしい。相撲は誰が努力しているかはっきり出る」と評価した。

 支度部屋ではサインを書いたり、関係者が訪れたりと、昼寝をする間もない。「きのう(稽古を)やってきょう強くなるわけではない。日がたって、あれがあったから今があるというふうになれば」。相撲界には「3年先の稽古」という言葉がある。どんなに忙しくても遠藤が土俵に上がるのは、それを知っているからだ。

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2014年4月20日のニュース