真央 笑顔で五輪に別れ「2つ合わせて最高の五輪だったな」

[ 2014年2月24日 05:30 ]

エキシビションでムードたっぷりに踊る(手前左から)羽生、ソトニコワ(奥左から)浅田、高橋

 笑って五輪にさようなら――。ソチ五輪フィギュアスケート女子で6位だった浅田真央(23=中京大)が22日、アイスベルク・パレスでエキシビションに出演。金色の衣装を身にまとい「スマイル」に乗って優雅に舞った。18年平昌五輪は視野に入っていない浅田にとって、五輪ラストダンス。笑顔で夢舞台に別れを告げた。

 目指していた金メダルには届かなかった。でも、浅田が金色のスマイルを浮かべていた。ゴールドの衣装を着て、エキシビション使用曲「スマイル」に身を任せた。チャプリンの映画「モダン・タイムス」のテーマ曲に乗って、5分弱の演目中、ずっとずっと笑っていた。98年長野五輪金メダルのリピンスキーを見てから、目指してきた五輪。「(次の4年は)想像できません」という浅田にとって、最後の五輪。夢舞台の別れには、心の底からのスマイルがふさわしかった。

 「今回は五輪で滑るのが最後なんだなって思いがしたので、応援してくださった方に感謝の気持ちを込めて滑った」

 銀メダルだったバンクーバー五輪から4年。代名詞の大技・トリプルアクセルが跳べなくなった時もある。11年12月には最愛の母・匡子(きょうこ)さんが48歳の若さで天国へ旅立った。集大成という強い気持ちで臨んだ今大会。SPはまさかの16位に沈んだ。ほぼ完璧な演技を披露した“伝説の4分”のフリーは、世界が涙した。そして、最後に浅田は笑った。

 「この曲は“スマイル”なので、つらいことがあっても苦しいことがあっても、笑顔を忘れないでいてもらいたいなって思いで滑った」

 昨年4月、今季限りでの現役引退を表明したが、今は「(試合が)全部終わってから考えたい」としている。3月26日開幕の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)が引退試合になれば、10―11年シーズンから師事してきた佐藤コーチとの時間も残り少ない。「(来季以降)休むとなったり、やらないとしたら、(佐藤コーチとの時間は)世界選手権までしかないのかな、と思うと寂しい気持ち」と吐露した。「やらない」なら一線を退くことになり、「休む」なら現役復帰の可能性も残る。いずれにしても、五輪を終えたばかりで心の整理をつけるにはいたっていないようだ。

 未確定な先のことを考えて感傷に浸るよりも、今のこの瞬間を大切にしたい。23日の閉会式に向けて、「五輪の雰囲気を思いっきり楽しみたい。とにかく今を楽しむって感じで」とまた笑った。「バンクーバーでは銀メダルを持って帰ってこられたけど、フリーは満足していなくて。今回の試合はSPはああいう形だったけど、フリーは人生最高の演技ができた」。2度の夢舞台を振り返り、そして続けた。「2つ合わせて最高の五輪だったな」と。

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