町田に吉兆!開会式で流れた「火の鳥」 トリノ荒川の歓喜再現だ

[ 2014年2月9日 05:30 ]

団体フリー曲が開会式でも使用された町田は華麗な演技を見せる

 魂の火の鳥が降臨する。9日のソチ五輪フィギュアスケート団体男子フリーに起用が決定的な町田樹(たつき、23=関大)が8日、羽生結弦(ゆづる、19=ANA)とともにサブリンクで調整した。7日の開会式では町田のフリー使用曲「火の鳥」が響く中、聖火が点灯。運命的な幕開けに、この日も全開だった“町田節”をたっぷりどうぞ――。

 運命的な幕開けで町田の心にも火がともった。7日の開会式は「火の鳥」が響く中、聖火が点灯。06年トリノ五輪では、開会式でイタリア歌劇「トゥーランドット」が流れ、フリーでこの曲を使用した荒川静香が金メダルを獲得。町田にとっては何よりの追い風だ。「けさ、朝ご飯を食べながらテレビで確認した。昨日は(部屋で)爆音しか聞こえなくて」と話した23歳は、「いやぁ、やっぱ感動的でしたね」と目を輝かせる。この言葉を皮切りに、印象的な“町田節”が全開だ。

 「火の鳥」を作曲したストラビンスキーについて、勉強熱心な23歳の知識は豊富。「ストラビンスキーって亡命してロシアに帰ってこなかったみたい。ロシア人にとってはお国を捨てた作曲家みたいにとられてるふしがあるらしく。でも、ストラビンスキーの精神が帰ってきた」。もちろん、「火の鳥」の作品自体にも造詣は深い。「ロシアのバレエ団のために作曲したけど、初公演はパリだったらしいんですよね」とうんちくを語った。

 開会式には出席できなかったが、14日に個人戦を終えてもソチに滞在し、23日の閉会式には参加する。「ずっと残りますよ。他競技を見て勉強もしたいし、会場も全部入りたい。スピードスケートもホッケーも見たいし、できることなら山にも行きたい」。初の夢舞台だが、舞い上がることはない。五輪公園内に設置されているジェットコースターを見て、「あれって動いてます?つくりっぱなしじゃないですか」と不敵に笑う余裕がある。

 団体SPで日本が上位5カ国に入れば、9日の男子フリーに出場予定。「火の鳥」は昨季に続いて、2季連続で演じる。「神聖な炎で会場を満たしたい。多くの方々の心にあたたかい炎をともせれば、スケーターとしても幸せ。ここロシアで“火の鳥”を降臨させたい。2年やってきたけど、ついに最終章です」――。

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2014年2月9日のニュース