美姫痛っ2位 演技直前に左足首負傷…ソチさらに厳しく

[ 2013年11月25日 05:30 ]

演技の途中で転倒する安藤

 夢舞台がさらに遠のいた。フィギュアスケートの国際大会、アイスチャレンジは23日、オーストリアのグラーツで行われ、4月の女児出産を経てソチ五輪を目指す安藤美姫(25=新横浜プリンスク)は、女子フリーで94・12点の2位となり、今季自己ベストに11・96点及ばない合計150・90点で2位に終わった。この日の演技直前に左足首に痛みが走り、新たな不安要素も抱え込んだ。安藤と0・52点差でSP2位だったコートニー・ヒックス(17=米国)が166・33点で優勝した。

 演技を終えた安藤は、顔をしかめながら左足首をさすった。異変が起きたのは出番直前だ。スケート靴を履く時に痛みが走り、棄権の2文字が頭をよぎったという。出産後、練習を再開した春にも同じ箇所をひねった。悪化を防ぐため、終盤に予定した3連続ジャンプをあえて跳ばず、「スタミナに不安なく臨める感触だったので、凄く悔しい結果」と不完全燃焼に終わった。

 「海外の方がリラックスしてできる。日本では集中して練習できない」とイタリアでトレーニングを積んできた。条件が好転したはずの海外試合だったが、合計得点は今季の自己ベストに11・96点も及ばず。復帰後初めて2つ組み込んだ高得点を狙える3回転ルッツも1つは転倒だった。それでも、高難度のジャンプに挑める状態に戻ったことが「次につながる」と言う。約3週間前の東日本選手権よりも演技後の「疲れ具合が違う」と体の変化も感じ取った。だが、新たに左足首痛という不安要素を抱え込んだ。

 今季のGPシリーズでは実績がなく、ソチ五輪の代表入りを果たすためには、全日本選手権(12月21日開幕、埼玉)での優勝が求められそうだ。GP2戦の平均が206点の浅田、186点の鈴木との差は歴然。SP絶不調に悩む村上でもロシア杯で162・46点をマークし、宮原もNHK杯で170点を超えた。現実的には優勝どころか、表彰台に上がるのも極めて厳しい状況だ。

 次戦は復帰戦のキム・ヨナ(23=韓国)と対決するゴールデンスピン(12月5~7日、ザグレブ)。同時期に福岡ではGPファイナルが行われる。「プチファイナルのつもりで楽しむ。まだ同じ土俵で戦えるレベルじゃないが、引き締まった大会になると思う」と力を込めた。

 ▼ソチ五輪への道 男女ともに日本の枠は3。最終選考会は全日本選手権で、優勝者は代表に決定。2人目はGPファイナル日本人最上位メダリストと全日本の2、3位選手の中から選考。2人目の選考から漏れた選手と、世界ランク日本人上位3人、国際大会のベストスコア日本人上位3人の中から3人目の代表を選考する。

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2013年11月25日のニュース