日馬富士 面目保ち白星先行 横審委員長、合格は「2敗まで」

[ 2013年9月20日 06:00 ]

高安を送り出しで破った、日馬富士(右)

大相撲秋場所5日目

(9月19日 両国国技館)
 横綱・日馬富士が新小結・高安を送り出し、3勝目を挙げた。この日は恒例の横綱審議委員会(横審)の場所総見が行われ、内山斉委員長(読売新聞グループ本社顧問)は横綱としての合格条件として「2敗まで」という見解を明言。周囲の評価が厳しくなる中で西の横綱が何とか白星を先行させ、休場ピンチを免れた。全勝は横綱・白鵬と平幕・嘉風の2人。

 壊れかけた「横綱・日馬富士」としての面目をひとまずは保った。負ければ休場に追い込まれる状況の中で迎えた高安戦。先場所に続き“右張り差し”を繰り出してきた23歳の勢いを鋭く低い出足で止めると、右おっつけで後ろ向きにさせて送り出し。横綱に対して2場所連続で立ち合いから張ってきた勇気ある若者にいらだつことなく土俵上では無表情を貫いた。

 2敗を守っても窮地には変わりないが「若手ですから何をやってきてもいい。受けてやればお客さんも喜ぶ」と支度部屋では大人の対応。帰り際、大関時の10年10月に横綱昇進の祈願をしてもらった恩人である蓮華院金剛寺(広島市)の木原秀成管長と対面し、ようやく笑みがこぼれた。

 本場所総見で観戦していた横審の内山委員長は「負けていたら休場の事態だった。横綱なんだから2敗まで。これ以上負けると休場」と依然として状況が厳しいことを強調した。この日の朝稽古でも四股を踏む際にぐらつくなど古傷の左足首の状態は悪く、腰痛も発症しているが、本人は「腰はマジで大丈夫。足は今のところ大丈夫」と強気。満身創痍(そうい)の状態だが、気力だけは残っている。

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2013年9月20日のニュース