成田 5位浮上で3度目の逆転V圏「泣かせることを目標に」

[ 2013年9月1日 06:00 ]

9番 パーパットを沈めキャディーとグータッチの成田美寿々

ニトリ・レディース第2日

(8月31日  北海道苫小牧市 桂ゴルフ倶楽部=6480ヤード、パー72)
 15位から出た成田美寿々(20=フリー)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算3アンダーの5位に浮上した。2戦前のNEC軽井沢72でツアー記録を更新する初日53位からの優勝を飾った“逆転の女王”が、好調なパットを武器に自身3度目の逆転勝利を狙う。穴井詩(らら、25=GOLF5)が72で回り、通算6アンダーで首位を守った。

 生中継のテレビ画面に映し出された18番グリーン上。ボールがカップに吸い込まれると同時に成田も画面から消えていった。3メートルのバーディーパットがラインに乗ると、膝を折り曲げ、沈み込みボールに念力を送った。パットが決まると右拳を5度も振り下ろした。「パットの調子が良かった。いい方向に向かっている」。首位に3打差の通算3アンダー。優勝圏内に浮上した。

 風速9・4メートル。さらに強い雨が降る難条件。「通常より2番手上のクラブを持った」と言うように、1Wの平均飛距離が260ヤードの成田でさえ2打目で長いクラブを持つ我慢比べのゴルフが要求された。それでも1、2番で幸先良く連続バーディー発進。中盤に2つのボギーを叩いたが、過去に2度、逆転勝利を収めている20歳は集中力を切らすことなく終盤2つのバーディーを奪い最終日に望みをつなげた。

 スタート前のロッカールーム。父・俊宏さんから好調時のパットの動画がスマートフォンに送られてきた。ストロークがアッパー軌道になる悪い癖があったが、「動画を3度見てイメージが良くなった」と脇を締めてグリップし、ストロークは左肘を低い位置に保つことでクラブフェースも低い軌道で安定。ボールの転がりが良くなった。1番は4メートル、15番でも4メートルを沈めるなどパットが武器となった。

 2日間、首位を守って初優勝に王手をかけた穴井には試合前、「(穴井が)初優勝したら泣いてあげる」と約束していた。だが、「(逆転して)泣かせることを目標にやりたい。昨日より今日、今日より明日と行けたら」と最終日に目を向けた。今季2勝目を視界に捉えた逆転の女王は、誰が相手でも容赦することはない。

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2013年9月1日のニュース