康生監督に危機感 男子中量級惨敗「日本のトップを選んでも…」

[ 2013年9月1日 06:00 ]

男子90キロ級2回戦でイスラム・ボズバエフ(右)に一本負けした西山将士

世界柔道第5日

(8月30日 ブラジル・リオデジャネイロ=マラカナジーニョ・アリーナ)
 男子は金メダルラッシュから一転して2日連続のメダルなしに終わった。男子90キロ級ではロンドン五輪銅メダルの西山将士(28=新日鉄住金)が2回戦で敗退。初戦で敗れた前日の81キロ級に続いて中量級は海外勢の厚い壁に阻まれ、井上康生監督(35)も抜本的改革の必要性を訴えた。女子78キロ級では佐藤瑠香(21=コマツ)と緒方亜香里(22=了徳寺学園職)がそろって敗れた。

 井上監督の声のトーンも下がらざるを得なかった。それも仕方ない。軽量級で40年ぶりに金メダルを独占したと思ったら、中量級はあえなく惨敗。「日本のトップを選んでも1、2回戦で負けてしまう。階級全体の地力アップが必要」と危機感を募らせた。

 ロンドン五輪のメダリストも精彩を欠いた。西山は2回戦でボズバエフと対戦。相手の背負い投げをこらえた直後、腕ひしぎ十字固めにとらえられ、たまらずタップした。「寝技があるのは分かってたけど出合い頭にスキがあった。ハートの面で甘さがあった」とわずか21秒での敗戦に悔し泣きした。

 時の運ではない実力差を井上監督も認めた。「90キロ級を見ているともっと地力のある選手をつくっていかないといけない。細かな技術だけでは勝てない」。身体能力の高い選手が集う海外勢の壁を乗り越えるには、若い年代からの計画的強化を含めた改革が必要。新ルール下の今大会で多く見られる関節技についても「海外勢は合理的に勝てる方法の一つとして重視している」と対策の必要性を痛感した。2日連続のメダルなし。一朝一夕ではいかない厳しい課題を突きつけられた。

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2013年9月1日のニュース