石川遼 会心ゴルフで意地の65も…あと一歩で予選落ち

[ 2013年6月22日 06:00 ]

<日本ゴルフツアー選手権2日目>13番、バーディーパットを決められずしゃがみ込んで悔しがる石川遼

男子ゴルフツアー・日本ツアー選手権宍戸第2日

(6月21日 茨城県笠間市・宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7402ヤード、パー72)
 石川遼(21=CASIO)が意地の65で存在感を示した。最下位の124位から出たが、新パター効果で8バーディー、1ボギーの65と今季の自己ベストをマーク。予選通過には2打足りず、通算1オーバーの72位だったが、今季国内初戦で観衆を沸かせた。2位で出た松山英樹(21=東北福祉大)はイーブンパー72で通算5アンダーの14位に後退。朴銀信(23=韓国)が64を出し、通算11アンダーで首位に立った。
【第2R成績】

 悲鳴にも似た歓声が響いた。通算イーブンパーで迎えた17番。石川の2・5メートルのバーディーパットは、ボールがカップを3分の1ほどのぞいたところで止まってしまった。石川は前かがみになってボールを凝視したまま。入れば通算1アンダーで予選通過ラインに突入できたが、チャンスを逃して万事休す。18番は第1打をラフに入れたことが響いてボギー。最下位からのミラクル予選突破には2打足りず、幻に終わった。

 「(17番は)入ったと思ったけど、30センチ手前で何かが起こった感じ。仕方ない」。石川は運命を分けた一打をさっぱりと振り返った。

 前日の不振ぶりがウソのような会心のゴルフだった。1打も落とすことができない状況でスタートし、1番で1メートルを沈めてバーディーラッシュが始まった。2番も2メートルのチャンスを決めると、「右に出たけどミスにならなかった」と、この日初起用の新パターに自信をつかんだ。その後は米国仕込みの多彩なショットと復調したパットでグイグイ伸ばす。16番はあと少しでホールインワンという30センチに付けるバーディー。8オーバーあった「借金」を完済した。

 初日からの変身は「パットでリズムをつくれたことが大きい」と振り返る。初日は今季の米国での戦いを象徴するような、打ち切れないパットが目立った。そこで、転がりがよくヘッドが大きいネオマレット型を投入し、パット数は初日の「36」から「28」に改善。問題を見つけると、試合中でもスイングやストロークを根本から見直してきたが、今回はパターの力に助けを求めた。

 「優勝争いはおろか、予選落ちは残念。でも収穫はあった」

 石川は25日にも渡米しAT&Tナショナル(27日開幕、米メリーランド州)を目指す。今季の国内初戦はわずか2日間で終わったが雨の中訪れた4800人(昨年2倍)の期待には応えた。同組のライバル松山にスコアで大きく後れを取ったが、健在ぶりを示すには十分なバーディーラッシュだった。

 ≪4人目の快挙ならず≫石川の予選通過はならなかったが、99年の日本ゴルフツアー機構発足後、最下位から予選を通過した選手は3人いる。99年フィリップモリス・チャンピオンシップの東聡、02年カシオワールドオープンのマット・クーチャー、05年ABCチャンピオンシップの谷口拓也。

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