安倍首相 9月のG20切り上げ五輪招致、IOC総会出席を優先

[ 2013年6月21日 19:09 ]

 安倍晋三首相は、2020年夏季五輪の開催都市を決める9月のアルゼンチン・ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席し、現地で自ら東京招致を呼び掛ける意向を固めた。このため、直前にロシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の日程を途中で切り上げる方向で検討に入った。政府関係者が21日明らかにした。

 東京五輪招致を国家戦略と位置付ける首相は、IOC総会で日本として最後のプレゼンテーションに臨み、てこ入れに万全を期したい考え。外交ルートを通じG20議長国であるロシア側に事情を説明し、日程切り上げへの理解に努める考えだ。

 首相も参加してロシアのサンクトペテルブルクで開かれるG20首脳会合は9月5、6両日。IOC総会は直後の7日で、時差はあるものの日程はほぼ連続している。

 政府関係者は「移動自体に時間がかかる上、政府専用機の途中給油も必要」と指摘。できるだけ早くブエノスアイレス入りしてPR活動に時間を割きたいとの考えから、訪ロ日程の短縮はやむを得ないと判断した。

 20年五輪の開催都市は、東京とイスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)が争っており、9月のIOC総会での投票で決まる。投票する委員の間では、東京が訴える「安心、安全な五輪」が評価され、反政府デモが起きたイスタンブールや、経済危機脱却の見通しが立たないマドリードよりも優勢だとの見方が広がっている。

 09年の16年五輪招致の際は、当時の鳩山由紀夫首相がデンマークでのIOC総会に乗り込んで東京招致を訴えたが、逃した。首相による国際会議日程の短縮例は、昨年6月のメキシコでのG20首脳会合で、当時の野田佳彦首相が国会対応のため2日目の討議を欠席したケースがある。

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2013年6月21日のニュース