大喜鵬の高見盛ばりパフォーマンスNG 声出せない!

[ 2013年3月17日 06:00 ]

大喜鵬の高見盛ばりパフォーマンス

大相撲春場所7日目

(3月16日 ボディメーカーコロシアム)
 今場所から制限時間いっぱいの土俵上で大声を出して気合を注入していた十両・大喜鵬が審判部から注意を受けた。元小結・高見盛の振分親方を尊敬している23歳。左目網膜剥離を乗り越えるために振分親方の気合注入を継承して白星を先行させていたが、協会幹部からの指摘で大声を出すことができなくなった。幕内は横綱・白鵬が時天空を寄り切って、ただ一人7連勝。1敗は平幕の常幸龍だけとなった。
【取組結果】

 気合注入の儀式?それとも単なるパフォーマンス?伝統を重んじる大相撲の世界でそんな物議を醸したのは元小結・高見盛の振分親方から「若いし強い」と“後継者”に指名された大喜鵬だった。日大相撲部の大先輩の振分親方を「心の底から尊敬している」という23歳は今場所から取組前に自分の体を何度も叩き、大声を出して気合を注入していたが、この日は体を叩いただけでお口はチャック。たった6日間で“気合の叫び”をやめてしまった理由――。それは協会幹部の不興を買ってしまったからだった。

 15日の取組後、関係者を通じて「7日目の取組前に審判部に来るように」と通達があり、会場に到着するなり審判部に直行。すると鏡山(元関脇・多賀竜)、伊勢ケ浜(元横綱・旭富士)の両審判部長から「声とかそういうので人気にならなくてもいいじゃないか」「周りから見たらおちょくっているみたいだ」などと注意を受けたという。大喜鵬が気合注入を始めた理由は2月に左目網膜剥離の手術を受けたからだ。頭から当たる相撲が持ち味だけに土俵に上がることが怖くなったが、そんな時、自身と同じく、怖さを振り払うために声を出して気合を注入していた振分親方の意思を引き継ぐことを考えた。

 この日、NHK解説者デビューした振分親方も「ものまねで人気を取るだけならやめてほしい」と物言い。今場所は立ち合いの変化や引き技を多用し、この日もはたき込みで5勝目を挙げた大喜鵬は取組後に「感情を抑えるように気をつけたい」と猛省。その上で「目がこういう状態で成績を収められているので、まねごとですけど自分にはプラスになっていると思っていた。パチパチと体は叩きたい」と主張。気合の叫びは封印するが、高見盛の魂は継承していく。

 ▽高見盛のパフォーマンス 制限時間の合図の後に塩を取りにいくときに体を両手で叩き、大きな掛け声とともに両手を下に何度も突き出す。塩を取ると両手を胸の前で力強く握り直してから振り返り、土俵に入る。当初は顔を自分で殴っていたが、取組前にクラクラしてしまい、体を叩くようになった。

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