把瑠都 大関復帰ならず…好調・高安にのまれ痛恨6敗目

[ 2013年1月26日 06:00 ]

支度部屋で汗をぬぐう把瑠都

大相撲初場所13日目

(1月25日 両国国技館)
 今場所での大関復帰への道が閉ざされ、花道を引き揚げる把瑠都は苦笑いを浮かべるしかなかった。復帰の条件は10勝以上。既に5敗を喫し、もう一番も落とせない状況だったが、好調・高安の勢いにのまれた。

 立ち合いで、しっかりと踏み込んだ相手に右上手、左差しを許して土俵際まで押し込まれる。必死に左からすくい投げを打ったが、その瞬間、右足が土俵を割ってしまった。「ちょっと(立ち合いが)遅かった。硬くなった。組んでくるとは思わなかった。何をしたかったのか分からない」。支度部屋に戻ってくると、何度も首をかしげた。

 左太腿のケガが完治しない中で場所を迎えた。地力で勝ち星を積み重ねていたが、土俵での相撲勘は最後まで戻らなかった。慢性的な左膝痛や改善されない強引すぎる取り口を考えると、ゼロからの大関再挑戦は容易ではない。大関から陥落した翌場所で復帰を逃しながら、その後大関に返り咲いたのは過去12人中、77年1月の初場所で再昇進した魁傑のみ。北の湖理事長(元横綱)も「序盤の負けが痛い。(もう一度戻るのは)厳しいと思う」と話した。

 大関復帰が振り出しに戻ったことに、把瑠都は「残念です」とポツリ。それでも「大阪で頑張ります。落ち込んでもいいことはない」と自らに言い聞かせた。エストニアの怪人は残り2日間、しっかりと勝ち星を積み重ね、いばらの道へ再出発する。

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2013年1月26日のニュース