有村上向き１１位　賞金女王へ“秘策”あり

[ 2012年10月29日 06:00 ]

女子ゴルフツアー　樋口久子森永製菓ウイダー・レディース最終日

（千葉県市原市　森永高滝カントリー倶楽部＝６６５２ヤード、パー７２）
　賞金ランク３位の有村智恵（２４＝日本ヒューレット・パッカード）は６９と追い上げたものの、通算３アンダーの１１位で連覇は果たせなかった。６８で回って通算１２アンダーで完全優勝を飾った全美貞（２９＝韓国）との賞金差は約３０１０万円に開いた。来月下旬の米ツアー来季出場最終予選会に挑む有村は、今季の残り出場予定は２試合のみ。もはや挽回は不可能にも思えるが、逆転賞金女王への“ウルトラＣ”があった。果たしてその方法とは？
【最終Ｒ成績】

　森永製菓とスポンサー契約を結ぶホステスプロとして連覇に挑んだが、精いっぱいのゴルフでも優勝には届かなかった。

　２週間前に米ツアーの２次予選会を終え、その後も休みなくツアー転戦を続けてきた。疲れからショットの距離感やアプローチの感覚が乱れ、２日目のラウンド後は珍しく練習をせずにすぐにコースを離れた。

　休養のかいもあってか最終日は４バーディー、１ボギーとようやく復調の兆しを見せた。「思った以上にいい調子になった。グリーン周りも初日は不安があったけど、どんどん良くなってきている。来週は今度こそ万全で臨みたい」

　しかし、そうこうしている間に女王争いのライバルである全美貞は今季４勝目。賞金額の差は約３０１０万円まで開いてしまった。有村が出場予定の残り２試合の優勝賞金は合わせて３０６０万円（ミズノクラシックは１ドル＝８０円として計算）。２勝したうえで全美貞が賞金を積み上げられないケースでようやく逆転可能な差。女王の可能性はついえたかに思えたが、そうではなかった。

　「来週優勝してリコーに出られるように頑張ります」。そう有村が語ったように、スポニチ主催ミズノクラシック（１１月２日開幕、三重・近鉄賢島ＣＣ）に勝つことこそが逆転女王につながる唯一の道だ。日米ツアー共催の同大会は、優勝者に翌年の米ツアー出場権が与えられる。

　となれば、最終予選会直前のために回避したツアー最終戦、ＬＰＧＡリコー選手権への出場に支障がなくなる。さらには、その前週のエリエール・レディースも推薦を受ければエントリーが可能になる。

　有村にとって最優先事項は米ツアーの出場権獲得に変わりはないが、女王争いの点でもミズノクラシックの勝敗は大きな意味を持つ。今週は全美貞は欠場の予定。“鬼の居ぬ間に洗濯”ならぬ“全の居ぬ間に優勝”が有村の至上命令だ。

　▼２５位・宮里美香　今週はパットが決まらずにフラストレーションがたまった。来週のグリーンはまた違うので、切り替えてやっていきたい。