“良兼似”リー初栄冠 自己ベストタイ63で猛チャージ

[ 2012年10月29日 06:00 ]

首位でホールアウトし、谷口徹(左)から祝福されるH・リー

男子ゴルフツアー マイナビABC選手権最終日

(10月28日 兵庫県加東市 ABCゴルフ倶楽部=7201ヤード、パー72)
 ツアー参戦5年目のハン・リー(35=米国)が自己ベストタイの63をマークし、通算17アンダーで初優勝を果たした。これまで精神的なもろさが目立ったが、5打差から出て、9バーディー、ボギーなしの猛チャージを見せた。1打差の2位に宮本勝昌(40=ハートンホテル)が入り、石川遼(21=パナソニック)は70と伸ばしきれず、通算11アンダーの6位に終わった。
【最終R成績】

 参戦から4年が過ぎた。英語に少し日本語が交じる。リーは人懐っこい笑顔で初優勝の喜びをしみじみ語った。「(初優勝まで)とても長く感じた。いいラウンドができないと、その度に頑張って、その繰り返し。だから、余計に長く感じた」

 まとまった雨が降ったのは序盤だけ。天候も味方に付け、韓国系米国人は快調にスコアを伸ばした。15番の“直ドラ”による2オン2パットのバーディーで単独首位に浮上。優勝への意識を封じるため、リーダーボードは見なかった。

 4月のつるやオープンは3打差の首位で迎えた最終日に大失速。極度の緊張に陥り、78を叩いて13位に沈んだ。この時、優勝した藤田のプレーが参考になっている。

 「藤田さんはリズム、テンポが首尾一貫。きょうは常にそれを考えた」

 順位を知ったのは18番の1メートルのイーグルパットの時。外したが、返しを入れて自己記録タイの63。5打差をまくった。

 「怪物」の異名を持つ川岸良兼と顔が似ていると評判で「ファンから間違ってサインを求められる」。くしくも、川岸はここで2勝。同じパワー系が今年の主役になった。

続きを表示

2012年10月29日のニュース