信成3位 左膝故障からの復活アピール

[ 2012年10月29日 06:00 ]

笑顔でフリーの演技をする織田信成

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ最終日

(10月27日 カナダ・ウィンザー)
 完全復活が見えた!!男子はSP3位の織田信成(25=関大大学院)がフリーで156・20点をマークし、合計238・34点で3位に入った。昨季は左膝故障に苦しんだが、今季GP初戦で復活をアピールした。無良(むら)崇人(21=中京大)は8位、ハビエル・フェルナンデス(21=スペイン)が優勝した。女子は鈴木明子(27=邦和スポーツランド)が2位、村上佳菜子(17=中京大中京高)は3位だった。

 頂点には届かなくても、確かな手応えを得た。左膝故障からの復活を目指す織田が、GP初戦で3位。「表彰台が目標だった。帰ってきたんだと周りの選手に思ってもらえればうれしい」と笑みを浮かべ振り返った。

 冒頭の4回転トーループは回転不足と感じたというが、何とか着氷。SPでも成功させた大技を決めると、高さのある3回転半ジャンプで会場の拍手を浴びた。「後半にミスは出たけど徐々に良くなっている」。軽妙なしぐさを織り交ぜ、スピンでは最高難度のレベル4をマークした。

 昨年5月、競技人生初の大ケガを負った。左膝の腱が部分断裂したままシーズンを迎え、GPシリーズ2戦で結果が残せず全日本選手権も欠場。手術をしても完治の見込みがなく、膝周りの筋肉を鍛えるなど辛抱強く治療を続け、復帰戦となった9月のネーベルホルン杯(優勝)で復調の足がかりをつかんだ。

 今回優勝したフェルナンデス、2位のチャンは4回転ジャンプを2度跳んだ。大技が1度だった織田は「トップ選手と戦える演技構成をまだ組めていない」。それでも、大きなミスを防いだことで技術点はチャンを上回り、フェルナンデスとも6・67点差しかない。「追い付けるという希望はある」と自信を深めた。

 長男の信太朗君は2歳になった。「パパ大好き」という愛息の言葉がモチベーションだ。「自己記録を更新して初めて、親父のかっこいい姿を見せられる」。14年ソチ五輪へ実力者が力強く前進を始めた。

続きを表示

2012年10月29日のニュース