吉田メイジ 筑波突破!「真っ向勝負」FW戦で全勝対決制す

[ 2012年10月22日 06:00 ]

<明大・筑波大>筑波大を破り歓喜の明大フィフティーン

関東大学ラグビー対抗戦 明大31―27筑波大

(10月21日 Ksスタ)
 吉田メイジが全勝を守った。対抗戦Aグループの全勝同士の対決は明大が重戦車FWを前面に押し出した戦いで、筑波大に31―27で逆転勝ち。開幕4連勝を飾った。元日本代表WTB吉田義人監督(43)が率いる明大は24―27で迎えた後半32分、モールから最後はCTB西村雄大(3年)がインゴールに飛び込み、リードが5度入れ替わる接戦を制した。全勝は慶大を25―8で下した帝京大と2チームになった。

 最後はフランカー竹内主将がボールをタッチ外に出したところでノーサイドの笛が鳴った。記者席で観戦していた吉田監督は机を叩いて喜んだ。

 「FWが真っ向勝負を挑んで勝った。メイジの強いプライドを取り戻してくれた」と部訓である「前へ」を実践。昨季の大学選手権2回戦で敗れた難敵にリベンジした選手たちを褒め称えた。

 FW戦を挑んだ。ゲームを組み立てるSH山口とSO染山副将はともに佐賀工出身。合宿所でも同部屋で筑波大の映像を研究。敵陣深くへボールを蹴り込み、自慢のFWが圧力をかけ続ける作戦を採用し、トライを重ねた。前半5分と後半2分はスクラムの起点からゴールを割った。後半14分のトライに続いて、同32分もラインアウトから好機をつくり、最後はモールに参加した西村が逆転トライ。右太腿裏肉離れから試合直前に復帰したプロップ石原は「ゲームプラン通りだった」とFW戦を制して胸を張った。

 今年8月の練習試合でも大敗した。その筑波大は今季対抗戦で早慶を破って勢いに乗る。因縁の相手との対戦を前に吉田監督は、9月から4週連続でキヤノン、リコーなど社会人と合同練習を敢行し選手を鍛えた。成果を出した指揮官は「メイジが負けるわけにいかない。伝統校のプライドを保てた」とうなずいた。

 前日、吉田監督は宿舎の自室に竹内主将を呼び、自身が主将を務めた90年度の早明戦の映像を見せた。リードしていた明大がロスタイムで同点に追いつかれた試合。最後まで何が起こるか分からないんだというメッセージだった。「あれで最後まで気を抜かずに戦えた」と竹内主将。狙い通り選手は筑波大の終盤の猛攻を耐え抜いた。

 全勝は大学選手権4連覇を狙う帝京大と2校。09年の就任から現4年生を指導してきた吉田監督は「私が主将だったチームに似てきた」と9季ぶりの単独日本一を果たしたチームになぞらえ、手応えを口にした。単独での対抗戦制覇は98年度が最後。難敵撃破で自信をつかんだメイジが14季ぶりの頂点へ突き進む。

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2012年10月22日のニュース