日馬富士、綱獲り“三度目の正直”へ「楽しむ」

[ 2012年8月28日 06:00 ]

番付表を手に笑顔の日馬富士

 日本相撲協会は27日、大相撲秋場所(9月9日初日、両国国技館)の新番付を発表し、名古屋場所を15戦全勝で制し、3度目の綱獲りに挑む日馬富士が東の正大関に就いた。横綱昇進を果たせば、土俵入りは師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と同じ不知火型にする方針。白鵬とともに史上初となる“2人同時不知火型”の披露に向け、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で開かれた会見では自信満々の表情を見せた。

 “三度目の正直”という言葉は日馬富士にとって重圧ではないようだ。3年前の初の綱獲りの際は「重圧はない」と平常心で臨んだが9勝6敗。1年前の2度目は「責任を感じる」と意気込んで8勝7敗。28歳で迎える3度目は「楽しみたい。(三度目の正直という言葉は)知ってます。モンゴルにも同じような言葉がありますから」と自信たっぷりだった。

 自身が抱く横綱像については「イメージというか…」と言葉を濁した。だが「近づいている気持ちはある?」との質問には「あります」と即答。昇進を実現させた場合に注目される土俵入りの型については「まだ」と明言を避けたものの、師匠の伊勢ケ浜親方は自身と同じ不知火型を披露させる意向を既に表明している。白鵬とともに角界史上初となる2人同時での不知火型を目指し、勝負の秋に挑むことになる。

 土俵入りこそ雲竜型だが、大関が抱く横綱像に近いのが千代の富士(現九重親方)だ。「格好いい。俺もクールになりたい」。120キロ台の軽量ながら31回の優勝を誇った大横綱に自身を重ね、締め込みも同じ黒色にしており「なじんできた」と使い続けるつもりだ。

 今後は稀勢の里がいる鳴戸部屋に出稽古に行くなどして調整する方針。「チャンスを与えられたので一生懸命、全身全霊でつかみたい」。目指すべき横綱像を浮かべつつ、三度目の正直を成就させる。

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2012年8月28日のニュース