北島 史上初4大会連続五輪「楽に」王手

[ 2012年4月3日 06:00 ]

男子100メートル平泳ぎ準決勝で軽快に泳ぐ北島

競泳ロンドン五輪代表選考会兼日本選手権第1日

(4月2日 東京辰巳国際水泳場)
 第一人者がまたも魅せてくれた。男子100メートル平泳ぎ準決勝。北島康介(29=日本コカ・コーラ)が50メートルを折り返すと観客席からどよめきが起こった。前半の50メートルは自身の持つ日本記録のラップより0秒29速い27秒74。終盤ややペースが落ちたが、2位の立石に0秒73の大差をつけ自己3番目に好タイムとなる59秒31。「準決勝は楽にいきたいと思って、泳ぎ切れた。悪い感じじゃない。前半27秒台で入れたことは評価していい」と納得の表情を見せた。

 100メートルでは昨年の世界選手権で北京五輪銀メダルのダーレ・オーエン(ノルウェー)に1秒32もの大差をつけられ、4位に沈んだ。「(世界選手権2位だった)200メートルの方がチャンスあると思う半面、100メートルでも勝負したい気持ちは強かった。やっぱり勝負できれば楽しいよね」。一時は失いかけた100メートルの自信を取り戻す泳ぎができた。

 泳ぎも上々だが、プールの外でも五輪へ向けた準備は順調だ。今大会前、「アリーナ」ブランドのデサント社と2年契約を結んだ。北京五輪前はスピード社の高速水着「レーザーレーサー(LZR)」が登場。他社と契約していた北島は最後はLZRを着用したが、五輪前は着用の可否をめぐって振り回されたが、今回は選考会前に身の回りをスッキリ固めて、好タイムにつなげた。

 3日の決勝は日本競泳史上初の4大会連続の五輪出場が懸かる。アクシデントがない限り、偉業達成は間違いない。あとはオーエンの58秒71にどこまで迫れるか。「58秒台を出せれば自信になる。尻上がりに上げていければいいかな」。ライバルにプレッシャーをかけるタイムを誰よりも北島が欲している。

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2012年4月3日のニュース