真央3回転半で転倒…今季2番目の低得点「凄く悔しい」

[ 2012年3月30日 06:00 ]

果敢にトリプルアクセルに挑んだ浅田だったが転倒

フィギュアスケート世界選手権第4日

(3月29日 フランス・ニース)
 女子ショートプログラム(SP)が行われ、2年ぶり3度目の優勝を目指す浅田真央(21=中京大)は59・49点と今季2番目の低スコアだった。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒し、得点が伸びず4位で発進した。アリョーナ・レオノワ(21=ロシア)が64・61点でトップに立ち、村上佳菜子(17=中京大中京)が62・67点で2位につけ、鈴木明子(27=邦和スポーツランド)は59・38点で5位だった。

 笑みを浮かべたのは一瞬だけだった。演技を終え、観衆の拍手に笑って応えた浅田だが、リンクを出る時には険しい表情に一変。59・49点の得点表示をぼう然と見つめた。「今の気持ちとしては満足できていない。やってきたことが全て出せたわけじゃない。凄く悔しい」と小さな声で4位発進のSPを振り返った。

 「シェヘラザード」の旋律に乗って、冒頭にトリプルアクセルに挑戦した。スピードをやや抑えて踏み切ったが、転倒して基礎点は2回転半に。「転倒してしまったのは取り返しがつかない」。その後の3回転―2回転、3回転ループは成功、3度のスピンとステップでは全て最高評価のレベル4をそろえた。「失敗して動揺はあったけど、その他は落ち着いてできたかな」と話したが、得点は伸びなかった。

 SPで「アラビアン・ナイト」のプリンセスを演じるため、今季は初めてパンツスタイルの衣装でスタート。だが、生地に伸縮性がなくジャンプに影響があったため、2月の四大陸選手権からスカートタイプに変更した。同選手権では、昨年11月のNHK杯SP以来となる大技に挑戦したものの、両足着氷で回転不足だった。

 昨年12月9日、最愛の母・匡子さん(享年48)が天国へ旅立った。練習を再開した同13日、親しい関係者の前で泣いたのを最後に、人前で涙を見せたことはない。悲しみを乗り越え、トリプルアクセルを成功させるためにトレーニングに集中してきた。この日は決まらなかったが、31日(日本時間4月1日)のフリーが残されている。SP1位のレオノワとは5・12点差。「悔いなく終わることが一番の目標です」。2年ぶりの世界一に向かって、浅田が逆襲する。

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