鶴竜 Vならずも大関昇進決定!6大関時代に突入だ

[ 2012年3月26日 06:00 ]

<大相撲春場所千秋楽>豪栄道に寄り切られる鶴竜

大相撲春場所千秋楽

(3月25日 大阪府立体育会館)
 単独トップで千秋楽に臨んだ関脇・鶴竜は平幕・豪栄道に一方的に寄り切られて2敗に後退、決定戦でも横綱・白鵬の左上手投げに屈した。初優勝はならなかったが、審判部はこの日、鶴竜の大関昇進を審議する理事会の開催を北の湖理事長(元横綱)に要請し、理事長も了承した。角界は史上初の6大関時代が到来。白鵬は貴乃花(スポニチ本紙評論家)に並ぶ22度目の優勝を飾った。

 どんな時でも淡々としている鶴竜が珍しく感情を表に出した。優勝決定戦を終え、風呂場に飛び込むと、悔しさのあまりうめき声を上げた。大関昇進だけでなく、賜杯もつかみたかった。「簡単に優勝はできないと思っていた。届きそうで届かない。優勝にはまだ早いということ」。逃したものの大きさに打ちひしがれ、小さな声で言った。

 初優勝が目前で消滅した。豪栄道に一方的に敗れて迎えた初体験の決定戦。今年初場所と今場所で2度突き破った横綱の壁がいつになく大きく見えた。土俵際の踏ん張りで場内を沸かせたが、白鵬の圧力に終始圧倒された。あと1勝が遠く、14日目までとは別人のような相撲で連敗。「(本割から)雰囲気がちょっと違った。横綱は横綱ですね。経験の違いですかね」とうなだれた。

 99年名古屋の出島以来となる初優勝での昇進はならなかった。とはいえ、15日間の内容は大関にふさわしいものだった。審判部はこの日正午の会議を経て、北の湖理事長に大関昇進を諮る理事会を開催するよう要請し、理事長も了承した。鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)は「(審判部の理事会要請決定は)満場一致です。昨日(14日目)勝った時点で文句ない」と評価。28日にもモンゴル4人目の大関が誕生する。

 大関の地位を現実のものとし、次なるターゲットも明確となった。優勝に足りなかったものは「経験」と認識している。北の湖理事長は「こうなったら絶対に負けないという自分の形が欲しい」と成長を期待した。「まだ実感はないですね。もっと稽古して、いつも同じ気持ちで自分の相撲を取れるようにならないと」。春の悔しさを起爆剤として、大関ロードをまい進していくはずだ。

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2012年3月26日のニュース