把瑠都「人間クレーン」で連勝!綱獲りへ“援軍”も

[ 2012年3月13日 06:00 ]

<大相撲春場所2日目>嘉風を豪快につり出して連勝を飾った把瑠都(右)

大相撲春場所2日目

(3月12日 大阪府立体育会館)
 綱獲りが懸かる大関・把瑠都は平幕の嘉風を豪快につり出して初日から順当に2連勝。今場所から新たな懸賞が懸けられるなど心強い援軍がついた中で、横綱昇進に向けて好スタートを切った。貴乃花に並ぶ22回目の優勝を狙う横綱・白鵬は妙義龍を難なく押し倒して連勝。大関陣では稀勢の里が小結・栃煌山に押し出されて2連敗を喫した。

 まるで「クレーン車」のような怪力相撲に升席に座る多くのファンが手を叩いて笑った。立ち合いで右を差した身長約2メートルの把瑠都は23センチ低い嘉風を両手で軽々と持ち上げ、右足から1・2・3歩。土俵際まで運ぶと起重機のごとく、ゆっくりと真下に相手を降ろして2つ目の白星をゲット。「狙い通り。捕まえたかったから」。関西人の笑いのツボを刺激する怪力相撲で館内を大いに沸かせた。

 つかんだのはファンの心だけではない。夢の横綱昇進に向け、心強い援軍もついた。母国エストニア産のプレミアムウオツカをベースにしたカクテル「クーラー」を昨年9月から売り出している日本酒類販売株式会社(本社・東京都中央区)が今場所から懸賞金を提供。1日1本ずつだが、仕切りの最中に「エストニアのお酒クーラー日酒販」というアナウンスが毎日流れる。母国に“把瑠都相撲道場”を開き、普及活動を行う把瑠都にとっても両国の懸け橋となるだけに「エストニアのお酒が日本で売り出されるのはありがたい」と喜んだ。同社担当者によると、今後も継続的に支援し続け、新たなキャンペーンも打ち出す予定だ。

 平成以降、綱獲りに成功した7人はいずれも2日目まで順当に白星を並べていた。着実に番付の頂点に近づきつつある第70代横綱候補だが「意識していない。普通にいつも通りの場所」。勝利の美酒に酔いしれるには、まだ早い。

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2012年3月13日のニュース