藤原、五輪決定!“川内魂”でロンドン駆ける

[ 2012年3月13日 06:00 ]

マラソン日本代表となった藤原は験担ぎのカステラを手にガッツポーズ

 川内魂で夢舞台を駆ける。日本陸連は12日、東京都内で理事会を開き、男子3、女子3人のロンドン五輪マラソン代表選手を発表した。順当に代表に選ばれた東京マラソン2位の藤原新(30=東京陸協)は、落選した川内優輝(25=埼玉県庁)との合同練習プランを披露。無職ランナーと市民ランナーの強力タッグで、上位進出を狙う。

 日の丸を背負う強い気持ちが、その服装に表れていた。日本陸連の代表発表会見の後、同じ部屋で行われた藤原の会見。真っ白なシャツに真っ赤なネクタイで登場した無職ランナーは、「日の丸にはパワーがある。一番パワーのある色でいこうと思った」と無数のフラッシュを浴びた。東京マラソン2位で順当に代表に選出。地元・長崎の銘菓・カステラにかじりつき、本番モードに突入だ。

 「これからいよいよ戦いに行くぞという気持ちになった。“選ばれて良かった”じゃない」

 夢舞台に届かなかったライバルの存在が、より責任感を駆り立てる。福岡国際で日本人最上位の3位に入りながら、藤原も出場した東京で14位と惨敗した川内は無念の落選。お互い実業団に所属しない異色の存在として、刺激を受けてきた。「彼(川内)のおかげで頑張れた。一緒に五輪で戦いたかった」と胸の内を明かし、「マラソンを盛り上げてくれたのは川内君。これからもライバルでいてほしい」とエール。そして、五輪までのプロセスとして、川内との合同練習プランを披露した。

 「一緒に練習できる機会があればやりたい。トレイルランとかいいですね」

 川内は仕事が休みの日曜日のトレーニングとして、山野を走るトレイルランを導入。藤原の父・有文さんは登山好きで、山とは縁がある。既に川内も「機会があるなら一緒にしてみたい」と話していることから、実現の可能性は十分だ。カーブが多く道が狭いロンドン五輪のコースを想定し、「どこかの段階で集団でコーナリングする練習も必要かな」と藤原。山道だけでなく、どこかの路地裏で2人が熱いバトルを繰り広げているかもしれない。

 五輪での目標にはメダルや順位ではなく、あえてタイムを挙げた。目指すは自己ベストを更新する2時間7分30秒。「順位は本当に読めない。タイムを目標にして、そのタイムを出せば結果がついてくると信じてやりたい。アフリカ勢も想定に入れて練習していく」。自己ベストの比較では男子代表3人の中ではエース格だが、「ボクはエースじゃなくていい。ジョーカーです」。不敵な笑みは、大仕事を予感させた。

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2012年3月13日のニュース