錦織4強ならず…BIG4の“壁”も4大大会V見えた!

[ 2012年1月26日 06:00 ]

男子シングルス準々決勝でアンディ・マリー(左)にストレート負けし握手する錦織圭

全豪オープンテニス第10日

(1月25日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス準々決勝で、第24シードの錦織圭(22)は第4シードのアンディ・マリー(24)に3―6、3―6、1―6のストレートで敗れ、ベスト4入りはならなかった。現行の世界ランキング制度が導入された73年以降、日本男子初のシード選手として8強入りを果たしたが、現在の男子テニス界を支配するトップ4相手には完敗。世界トップとの差を痛感させられた。

 “BIG4”と呼ばれる世界ランク上位4人の壁は厚かった。4大大会自身2度目のセンターコートでの大一番だったが、昨年全豪準優勝のマリーに昨年10月の上海マスターズに続いてストレートの完敗。初のベスト8入りを果たした錦織の勢いも、あっさりはね返された。

 「正直勝てる気がしなかった。自分のテニスはそこまで悪くなかったけれど、勝つには全然足りない。きょうの結果はとても残念だ」

 いきなり力の差を見せつけられた。第1セットの2ゲーム目。錦織は40―0から連続失点。最後は両者で42本を打ち合う壮絶なラリー戦に屈し、ブレークを許した。ここまでの快進撃を支えてきた要因の1つであるラリー戦での粘り強さで負け「やめたくなった」と苦笑いするしかなかった。

 第4ゲームでは相手に背中を向けて股の間からボールを返す曲芸ショットで得点し、1万人を超える観衆を沸かせる見せ場もつくったが、終始相手ペースの戦いを強いられた。第3セットの第1ゲーム終了後には、右足にできていたマメをカバーするためテーピングを巻き直したが、流れは変えられなかった。混合と合わせて9日間で7戦目。「疲れがないとはいえない」状態の中、集中力を切らすことはなかったが、1セットも奪うことができずに終わった。

 「マリーはミスをしない。本当に忍耐強い」と相手の強さを素直に認めた。マリーはジョコビッチ、ナダル、フェデラーと共に現在男子の4強と言われる。敗れたとはいえ、その4強の一人と大舞台で真剣勝負をして得た収穫は大きい。強烈なサーブを武器に簡単にサービスゲームを奪うマリーに対し、錦織はキープできても四苦八苦だった。サーブ力の向上があらためて大きな課題であることも明確になった。

 今大会後の世界ランキングは20位に浮上する見込み。昨年末に立てた今季の目標の「20位以内」は1カ月でクリアした。だが、ここで満足するつもりはない。「グランドスラムを獲るには凄く実力をつけないといけない」ときっぱり言った。見据えるのは日本人初の4大大会制覇。その思いを、よりいっそう強くした。

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