松山 難グリーン攻略へ秘密兵器…中尺パター実戦投入へ

[ 2012年1月10日 06:00 ]

<ソニーオープン練習日>パットの練習に余念がない松山

 米ツアーのソニー・オープン(12日開幕、ハワイ・ワイアラエCC)に出場する松山英樹(19=東北福祉大2年)が難グリーン対策に秘密兵器を用意した。米ツアーで流行中の中尺パターで、8日の練習では普段使う短尺と両方を打ち比べて感触を確認。芝目のきついバミューダ芝の制圧がコース攻略に直結するだけに、今大会で初めて実戦に投入する意向を示唆した。

 松山は予定していたラウンドを急きょ中止した。ハワイ入り翌日の7日にのどの痛みや鼻水など風邪の症状が出たからだ。前夜とこの日の朝は食事もとらず、ひたすら眠って回復に努めた。

 昼すぎにコースに現れて軽めの練習を終えた松山の鼻は、ティッシュでかみすぎたため赤くなっていた。「風邪をひくなんて3年ぶりくらい。体調はダメでもショットの調子はいい。あとはグリーン周りだけ」。前日には小田孔明と18ホールを回り、「コースのイメージはできている」と2年連続出場のメリットを感じていたところだった。

 新年初戦を前にした予想外のつまずきだが、その他の準備は抜かりない。パッティング練習では普段使っているピン型の他に中尺パターを持ち出して試し打ち。「試合で使おうか迷ってる。1年ぐらい前から持ってるんだけど、使う勇気が出ない」と漏らした。

 中尺パターは昨年の全米プロ覇者のK・ブラドリーや賞金ランク2位のW・シンプソンらが使い、米ツアーでは大注目されている。シャフトが長いため、手先でなく体全体でストロークできる利点がある。今大会の会場となるワイアラエCCはベント芝よりも茎葉が太く、芝目の強いバミューダ芝のグリーンが特徴。例年になくコースの仕上がりは良く、グリーンのスピードは出ているが、しっかりと打ち切るパッティングが欠かせないだけに、中尺パターは大きな武器となるはずだ。

 「短尺と打ち方は変わらないし、長いから楽に感じる。たぶん使わないですけどね」と最後はけむにまいたものの、得意のパッティングの出来が浮沈のカギとなるのは間違いない。昨年4月のマスターズ以来となる海外ツアー参戦。米ツアー初挑戦で予選落ちに終わった1年前から、一回り大きくなった姿をグリーン上でも示す。

 ▽中尺パター 短尺よりも長く、長尺よりも短い40インチ前後のパターのこと。グリップエンドをみぞおちあたりの腹(=belly)に押し当てて使うことが多いため、英語ではベリーパターと呼ばれる。腹ではなく前腕部に固定して打つ選手や、松山のように体に固定せずに使う選手もいる。石川もストローク矯正用に1本持っており、昨年はフィル・ミケルソンも一時使うなど米ツアーでは大ブームだった。

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