3年前の雪辱へ!最年長の小野沢 フランス戦先発!

[ 2011年9月9日 06:00 ]

会見で笑顔を見せる小野沢

 ラグビーW杯ニュージーランド大会は9日、ニュージーランド―トンガ戦で開幕する。日本代表は8日、同国北島のガルフハーバーで初戦のフランス戦(10日)のメンバーを発表。フランス戦を想定した2戦前のイタリア戦(8月13日)から先発メンバーを2人入れ替え、WTBにチーム最年長で3大会連続出場の小野沢宏時(33=サントリー)が起用された。日本人歴代最多タイのW杯9戦目となるベテランは8年ぶりの再戦となるフランス戦で雪辱を誓った。

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 ジョン・カーワン・ヘッドコーチらとともに会見に出席した小野沢は世界最高峰の舞台に立つ喜びにあふれていた。「メンバー発表の時は名前が呼ばれるように祈っていた。前後4、5人の名前は覚えていません」。5日のミーティングでフランス戦のメンバーが発表された時の様子を興奮気味に振り返った。出場すれば薫田真広氏、元木由記雄氏と並ぶ日本人歴代最多のW杯9戦目。「記録よりも試合に出場できる喜びでいっぱい」と笑みを浮かべた。

 日本代表通算64キャップ、42トライのエースも開幕前にレギュラーを外されていた。主力組で臨んだイタリア戦は伸び盛りの宇薄(うすずき)に定位置を奪われ出番なし。小野沢は控え組で臨んだ米国戦(8月21日)に出場した。それでも大畑大介氏ら元日本代表の先輩から「経験を生かしてチームを引っ張れ」と激励され、気持ちは切らしていなかった。練習でフランカー菊谷主将をサポートしながら先発入りをアピール。イタリア戦のメンバーからアイブス(左膝負傷)、宇薄を外したカーワンHCは「ベストメンバーでフランス戦に臨みたい」と力を込めた。

 過去のW杯では期待されながら世界の壁にはね返された。03年大会は初戦のスコットランド戦で1トライを挙げたものの、チームは4連敗。2チーム制を敷いた07年大会は控え組に回され、チームは1分け3敗と不完全燃焼。「結果が欲しい。どうしても勝ちたいです。それだけで4年間やってきた」と20年ぶりの勝利を渇望する。昨年2月末に古傷の左足首を手術。初めて体にメスを入れ、今大会を万全で迎えるために準備を重ねてきた。

 フランスとは03年大会以来の再戦となる。8年前は後半6分に1点差まで迫ったが、フル出場した小野沢はノートライで結局29―51の敗戦。「8年前とメンバーもルールも(攻撃側有利に)ラグビーが変わっているが、自分たちもレベルアップしている。自分は年寄りなんでいつも通りやるだけ。でも何をやるか楽しみにしてほしい」とニヤリ。トライゲッターは優勝候補のフランス撃破を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 ◆小野沢 宏時(おのざわ・ひろとき)1978年(昭53)3月29日、静岡県生まれの33歳。静岡聖光学院中1年でラグビーを始める。静岡聖光学院高、中大を経て00年サントリー。01年6月のウェールズ戦で代表デビュー。日本代表通算64キャップと42トライはいずれも歴代2位。トップリーグで09~10年、10~11年シーズンの2季連続トライ王。DFをぬるりとかわす「うなぎステップ」が武器。血液型A。

 ▽第7回ラグビーW杯 オーストラリアとの共同開催だった87年の第1回大会以来24年ぶりにニュージーランドで開催される。決勝は10月23日(オークランド)。ニュージーランド国内の12都市12会場で48試合が行われる。07年フランス大会の1次リーグ上位3チームの計12チームが自動的に出場し、アジアの日本など残り8チームは予選を経て出場。1次リーグは5チームずつ4組に分かれて行われ、各組2位までが決勝トーナメントへ進出する。

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2011年9月9日のニュース