福島“夢の準決勝”3組最下位も「楽しめた」

[ 2011年8月30日 06:00 ]

女子100メートル準決勝で軽快に走る福島(左)

陸上世界選手権第3日 女子100メートル準決勝

(8月29日 韓国・大邱)
 日本女子で初めて世界選手権の100メートル準決勝に進んだ福島だったが、世界との差を痛感させられた。得意のスタートで前に出られず、中盤以降はぐんぐんと離された。電光掲示板に記されたのは、第8レーン、11秒59で第8位という文字。準決勝3組で最下位に沈んだ。

 会見場には笑顔で登場したが、第一声は「やっぱり悔しいです」だった。「がっくりした。差が小さいとか大きいとかのレベルじゃない」。世界の一流スプリンターが見せた“本気の走り”に舌を巻くしかなかった。

 惨敗したものの、悲観ばかりではなかった。「決勝(進出)は、今は近いと言えない。でも一回走らないと次につながらないし、分かったことは大きい」。世界大会では1932年ロサンゼルス五輪の渡辺すみ子以来、79年ぶりの準決勝進出。「ジーターは速いけど、みんな同じなんだというワクワク感もあった」と強敵にもおびえることはなかった。新たな刺激を得て「あすから違う楽しみ、モチベーションでやれる」とさらなるステップアップをイメージし、次は200メートルに臨む。

 ロンドン五輪ではもちろん決勝進出が目標となる。夢の舞台に立つには自身の持つ日本新記録(11秒21)の更新が不可欠。7月に北海道恵庭市の中学校で行った講演で「いつか10秒台で走るのが夢」と語った福島の目は、輝かしい世界へと向いている。

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