遼くん64!1打差2位浮上!最終日は最終組だ

[ 2011年8月8日 06:00 ]

12番、2位対のボードを前に、この日5つ目のバーディーパットを決める石川遼

世界ゴルフ選手権シリーズブリヂストン招待第3日

(8月6日 米オハイオ州アクロン・ファイアストーンCC=7400ヤード、パー70)
 10位でスタートした石川遼(19=パナソニック)が奇跡的なリカバリーショットを連発。米ツアーで初めてノーボギーでまとめて海外ツアー自己ベスト、この日のベストスコアタイとなる64をマーク。通算11アンダーで1打差の2位に浮上した。首位はアダム・スコット(31=オーストラリア)。石川は米ツアーで自身初となる最終日最終組から初優勝の夢を追う。

 石川は後悔していた。2つのバーディーを奪って迎えた5番パー3は、グリーン中央に乗せて2パットのパー。無難に切り抜けたものの「狙い通りのショットだったけど、あの攻め方じゃダメだなと打ち終わった後に気づいた」。順位やスコアが動くことが多く、ムービングデーと呼ばれる大会3日目。追いかける立場の選手が安全にプレーしていては仕方がない。

 「攻めまくってミスしたらリカバリーすればいいと思っていた。とにかく狭い方、狭い方を狙っていった」。7番パー3ではピンを狙って手前のバンカーに入れたが、絶妙なバンカーショットでピンチを切り抜けた。出色だったのは8番からの3ホール。ハーフショット、スライス、地をはうような低弾道と多彩な技で木の間から脱出。1Wのミスをボギーにせず、10番ではバーディーを奪った。さえわたったリカバリーショットが攻めのゴルフを加速させた。12、17番のバーディーもピンを攻めグリーンの狭い側に落とした結果だった。

 後半に入ると中継した米国のテレビ局のカメラが石川を追い始めた。ラウンド後は中継局や米ツアーのネットラジオのインタビューを受け、公式会見にも呼ばれた。開幕前の会見は何度か出席したが、原則的に好成績の選手だけが呼ばれる試合中の会見は初めて。プレーだけでなく義援金から髪形、右手首のアームバンドのことまで質問され「こっちの記者さんの目が今までとは違った。一人のファイナリストを迎える感じで見てもらえて凄くうれしかった」と無邪気に喜んだ。

 1打差の2位とかつてない好位置、そして初めての最終日最終組。31歳のスコットを、23歳のデーと19歳の石川が追いかける展開を、米ツアー公式サイトは、3人の顔写真を並べて「The future is now(未来は今だ)」と紹介した。強豪ひしめくV争いは最後の18ホール。初優勝はすぐそこにある。

 ≪Vなら歴代2位の年少記録≫石川が今大会で優勝すれば、1911年に全米オープンを制したジョニー・マクダーモット(19歳10カ月14日)に次ぐ米ツアー歴代2位(19歳10カ月21日)の年少優勝になる。タイガー・ウッズの持つ23歳7カ月の大会最年少V記録も更新する。これまでに米ツアーを制した日本人選手は青木功、丸山茂樹、今田竜二の3人。

続きを表示

2011年8月8日のニュース