遼13打差…初の単独最下位に「頭が真っ白」

[ 2010年12月3日 06:00 ]

9番、石川は金庚泰(右)が見つめる中、ティーショットを派松が浮かない表情

 【日本シリーズJTカップ第1日】ホールアウトした石川は悔しがる暇もなく練習場に向かった。全くいいところなく過ぎ去った18ホール。2年連続でまさかの初日最下位に沈み、逆転賞金王の夢は限りなく遠のいた。

 「2人とも素晴らしいプレーだったのに、そのリズムを崩しかねないほど悪いプレーだった。本当に申し訳なかった」。会見では同組の2人への謝罪の言葉が真っ先に口をついた。池田、金庚泰との直接対決で1人かやの外。「謝っても何も解決しないけど、期待してくださった方にも申し訳ない」と声援を送ってくれたファンの期待にも応えられなかった。
 賞金王のためには優勝が最低条件。初日の大切さを分かっていたからこそ力が入った。「普段の試合よりも頭が真っ白になることが多かった」と大ギャラリーの熱気にもあてられ、平常心を失った。1番で1・5メートルの絶好のチャンスを逃すと徐々に気合が空転し始め、4、5番でスコアを落とす。続く6番パー5では第1打を左に引っ掛けてのOBで3連続ボギーを叩いた。
 後半の11番パー4でも林から脱出した後のバンカーでダフり、力なく浮き上がったボールが松の木に引っ掛かってアンプレアブル。運にも見放されたトリプルボギーとなった。ショットの不調を小技で補うこともできず、ずるずると負のスパイラルにのみ込まれた。
 練習場では父・勝美氏の指導を受けながら、クローズ気味になっていたアドレスを修正。「左サイドで体が詰まる感じがあった」というスイングには復調の手応えを得た。「スムーズなスイングができれば5アンダー、6アンダーも出せる。残り3日間で15打縮めることも僕の中では夢のまた夢ではなく、夢なんじゃないかと思う」。首位の池田とは13打差。絶体絶命の状況を自覚しつつ、最後まで夢を追いかけるしかない。

続きを表示

2010年12月3日のニュース