遼くん 絶望から会心の「62」で復活「まだ自分に期待するのは早い」

[ 2010年12月3日 17:27 ]

 【日本シリーズJTカップ第2日】大歓声に包まれた石川がこぶしを握り、跳びはねた。難しい最終18番(パー3)、右ラフからの第2打。軽く浮かせたチップショットが15ヤード先のカップへ吸い込まれた。「まさか入るとは」。この日、9つ目のバーディーに喜びを爆発させた。

 76をたたいた前日とは「別人のようなゴルフ」と自ら評した。ショットはまだ不安定さを残すが、パットが抜群。「思ったように打てて、狙い通りのラインで入っていく感覚がこんなにあるとは…。初めての経験」。3番で10メートルのバーディーパットを完璧な読みとタッチで沈め、波に乗った。
 12番(パー4)は右へ曲げた第1打が木に当たり、カート道で跳ねて浅いラフへ。「僕の中では完全にOB」というミスショットから、バーディーを奪った。前日は不運を「自分のミスが生んだ」と受け止めるしかなかった。だがこの日は「ついていた」。笑みがはじけた。
 絶望的と思われた前日の出遅れが「情けなかった。相当(ショックを)引きずった」という。ただ、望みは捨てなかった。沈んだ気持ちを盛り上げ、雨による開始の遅れを「練習できる」と前向きにとらえて猛チャージ。賞金王の最低条件となる優勝へ、また光が見えてきたが「まだ自分に期待するのは早い」。無欲が生んだ好結果の再現を、次も狙う。

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2010年12月3日のニュース