ウッズ真相語らず…不倫騒動は「もう終わったこと」

[ 2010年4月7日 06:00 ]

マスターズ・トーナメント出場を前に、記者会見するタイガー・ウッズ

 不倫騒動でツアー出場を自粛していたタイガー・ウッズ(34=米国)が5日、マスターズ(8日開幕、米ジョージア州、オーガスタ・ナショナルGC)の会場で公式会見を開いた。約200人の報道陣を前に謝罪の言葉などを述べたが、スキャンダルの真相については一切触れず、消化不良の“みそぎ会見”となった。

 各国から約200人の記者が詰めかけた会見場。外にあぶれた記者もモニターを見つめる中、午後2時からウッズは神妙な面持ちで「支えてくれていた人すべてを裏切ったことを謝りたい」と謝罪の言葉を述べた。その後は、48もの矢継ぎ早の質問に35分間、答え続けた。「自分のことを聞かれた他の選手にも謝りたい。この会見をもってマスターズに集中させてほしい」。ウッズにとっては“みそぎ”の場という位置づけだった。それでも、最も世間を騒がせた愛人スキャンダルや、その後のリハビリについての質問も飛んだが「もう終わったこと。個人的な問題」として、多くを語らず。会見はどこか釈然としないままに終了した。
 会見の司会を務めたC・ハートリー・マスターズメディア委員長が気心の知れた記者のみを指名するなど、大半はゴルフについての内容に終始。しかも、この日は全米で絶大な人気を誇る大学バスケットボール(NCAA)の決勝が行われ、米大リーグも本格的に開幕と、スポーツメディアの注目が分散する絶好のタイミング。すべてが綿密な計算のもとに行われた印象は否めなかった。
 会見に先立って行った練習ラウンドではギャラリーの前で16番パー3で水切りショットを成功させると大声援を浴び「自分のプレーを見たいというギャラリーがいたのがうれしい」と素直に喜んだ。「何度勝っても、偽りの人生は楽しくなかった。今は全てをぬぐってここにいる。ゴルフが再び楽しくなった」とマスターズ開幕を心から待ち望むほどに気持ちは充実してきた。
 ただ、今回の会見で一連の騒動が終息したわけではない。大会にエリン夫人は来ないそうだが、その一方で、元愛人襲来の噂もある。「ゴルフについては何も変わることはない。勝ちにいくだけ」。自らへの注目を希望通りゴルフだけに向けさせるにはマスターズで勝つしかない。

 <薬物使用は否定>会見では違法薬物となるHGH(ヒト成長ホルモン)の使用に関する質問も出たが、ウッズは「一度も服用していない」ときっぱり否定。筋肉増強剤の所持で逮捕されたA・ガレア医師との関係について「左ひざ側副じん帯の再生のためにPRP(多血小板血漿=しょう=注入療法)という治療を長期にわたって受けた」と語った。さらにウッズは08年12月に右足のアキレス腱を部分断裂していたことを初めて明らかにし、ひざ同様にPRPによる治療を受けたと説明した。

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2010年4月7日のニュース