日本新で決めた!古賀が金!入江は4位

[ 2009年7月29日 06:00 ]

表彰台で金メダルを手に笑顔を見せる古賀

 水泳の世界選手権第12日は28日、ローマで行われ、男子100メートル背泳ぎ決勝で、古賀淳也(22=スウィン埼玉)が日本新記録となる52秒26で、初の金メダルを獲得した。アーロン・ピアソル(米国)の世界記録51秒94には及ばなかったが、日本人では03年バルセロナ大会、07年モントリオール大会で計3度金メダルを獲得している北島康介以来、2人目の世界選手権覇者となった。入江陵介(19=近大)は52秒73で4位に終わった。

 世界的には無名に近い男が頂点に立った。世界記録保持者のピアソルが準決勝で敗退する中、本命不在となった決勝レースを制したのは、昨年の北京五輪には出場すらしていない古賀。準決勝で52秒39の日本記録をマークし、52秒73の入江らを抑えて全体トップで決勝に進むと「ピアソルがいないのは残念。大それたことかもしれないけれど、周りを引っ張るレースをしたい」と宣言した通りのレースを決勝でやってのけた。

 抜群の瞬発力を誇り、スタートとターン直後のバサロキックを得意とする。一般的に両腕を左右に広げた時の長さは身長と同じと言われるが、身長1メートル81の古賀は2メートルを超える。「腕に合わせて服を買うとブカブカになる」と悩ましいが、水中では大きな手のひらとともに、推進力を支える武器となっている。

 そんな恵まれた才能と肉体を持てあまし、昨年までは50メートルまでの距離でしか力を発揮できなかった。北京五輪代表の選考会は直前に左足首を痛めたこともあって、4位で出場を逃した。「100メートルは泳げない選手だと思われていた。見返したいと思った」。茶髪もやめ、ピアスも外して、気持ちを入れ替えた。

 2学年下の入江は互いに認めるライバルだ。4月の日本選手権では年下の入江を抑えて初優勝。しかし、その後のジャパンオープン、ユニバーシアードなどでは入江に負け続けた。代表合宿では、水中に潜って入江の動作を研究もした。「陵介はうまい。でも自分も1番でいたい」と100メートルに関しては負けないプライドを持っていた。

 才能を開花させた22歳。北島不在で競技力の低下が不安視された日本競泳界に、新たなヒーローが誕生した。

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2009年7月29日のニュース