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興梠「新ミスターレッズ」襲名弾!福田超えクラブ通算92点目

[ 2019年7月7日 05:30 ]

明治安田生命J1第18節   浦和1-0山形 ( 2019年7月6日    埼玉 )

<浦和・仙台>前半、浦和・興梠(右)がクラブ通算得点単独トップとなる先制ゴールを決める(撮影・大塚 徹)
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 浦和は6日、ホームの仙台戦に1―0で快勝した。エースFW興梠慎三(32)が前半42分、鮮やかなループ弾を決め、これが決勝ゴールとなった。浦和でのJ1通算得点は92点に積み上げ、福田正博(同91点)を抜き、単独トップに浮上。「新ミスターレッズ」の襲名となった。

 新ミスターレッズの襲名を告げるループ弾が決まった。前半42分、興梠が日本代表GKシュミットとの一対一を制した。華麗なターンでDFをかわした武藤のスルーパスに抜けると一気にゴール前へ。「あの局面はループと決めていた。打った瞬間、入ると思った」。優しく右足でボールを浮かせた。シュートは測ったようにGKの頭上を越えた。

 「ペナの中では良い意味での遊び心も必要と思う。相手をおちょくるくらいの…。力んだら駄目。(得点を)決めていないFWなら、あそこは力んだと思う」。これぞ量産の極意。当然、興梠にも若き日の失敗はあった。長い年月を経てたどり着いた境地だ。「あんなデカいGK(1メートル97)なのによう打ったな…と今になって思いますけど(笑い)」

 ついに浦和でのJ1通算ゴールも歴代単独トップに立った。加入7年目で積み上げた得点は92点。ミスターレッズと呼ばれた福田正博氏の91点を抜き去った。加入当初は「思ってもみなかった数字」だった。それが徐々に「超えないといけない記録」と使命に変わった。一番の要因は「単純にケガをしなかったこと。自分を褒めてあげてもいいかな」とうれしそうに話した。

 当然、あの「約束」は忘れていない。3月、興梠の実家が営む「ローストチキン・コオロギ」が浦和店をオープンした。福田氏とは“福田超え”を果たしたあかつきには「一日店長」就任の約束を取りつけていた。「これで決まり!福田さん、待ってます!で、“今日は客が少ないなぁ”っていうのを期待してます」と笑った。

 対仙台は14戦15発。この日も徹底マークに遭った。「厳しく来ているのは分かった。そこで何もできないか、それでも(点を)取るかは自分次第」と興梠。美しく決めたループには意地も込めた。リーグ戦では今季6点目、J史上初となる8年連続2桁得点も十分に射程圏に入ってきた。

 最後に興梠は少し真顔になって言った。「福田さんを超えたのはうれしい。でもサポーターの中では今もレジェンドは福田さんだと思う。次の目標は、サポーターの心を動かしたい」。正真正銘の新ミスターレッズへ、興梠は走り続ける。

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2019年7月7日のニュース